鳥取県中部地震

鳥取県中部地震

2016年10月21日14時7分、鳥取県の中部を震源とする大地震が発生しました。この地震はM6.6の規模で、震源の深さは11kmに達しました。鳥取県内では最大震度6弱が観測され、特に倉吉市、湯梨浜町、北栄町で被害が集中しました。

地震のメカニズム

この地震は、左横ずれ断層型のもので、圧力軸は西北西から東南東方向に設定されています。およそ10kmの断層長を持ち、この地域で知られていなかった断層が動いたと考えられています。地震調査委員会の見解によると、山陰地方は地盤が年間3〜4cm東へ動いており、そのために地震が発生しやすい地点とされています。また、この地震が起こる前の1年間、鳥取県中部では地震活動が増加していたことが確認されています。実際に、2015年10月から本震までの間に、震度1以上の地震が51回も発生していました。

地震の2時間前にもM4.2の地震が発生しており、その直後には微小地震が続く状況が見られました。

揺れの観察

地震の影響は、鳥取県中部だけでなく、関東地方から九州地方にわたって感じられました。防災科学技術研究所のデータによると、倉吉市では最大1494ガルの加速度が観測されました。このときの揺れは短周期のものであり、木造の家屋が倒壊しにくい状況でしたが、屋根瓦などの小構造物の被害は多く発生しました。さらに、大阪市内の高層ビルでも揺れが観測され、エレベーターが緊急停止する事態が起きました。

緊急地震速報とその影響

気象庁は、倉吉観測点で地震を検知後、わずか12.1秒後に広域への緊急地震速報を発表しました。この速報は京都府や大阪府、兵庫県、鳥取県など多くの地方に届けられました。

被害とその影響

地震による被害は多数の住宅に影響を及ぼし、2017年9月21日までに全壊18棟、半壊312棟、一部破損15109棟が確認されています。特に倉吉市役所も被害を受け、窓ガラスが割れるなどの事態が発生しました。また、避難生活を余儀なくされる住民も多く、32人が重軽傷を負いましたが、幸運なことに死者はいませんでした。

公共の施設や文化財にも甚大な影響があり、国の重要伝統的建造物群保存地区に位置する倉吉市の白壁土蔵群などは、漆喰の壁が剥がれ落ちました。これにより、文化財の保護が急務となっています。

政府とメディアの対応

地震発生当日、鳥取県は速やかに災害救助法を適用し、災害対策本部を設置しました。自衛隊への災害派遣要請が行われ、住民の安全確保に向けての対策が進められました。また、通信分野でも、災害用伝言ダイヤルが提供され、情報伝達の迅速化が図られました。

鳥取県内の観光業界は大打撃を受け、宿泊キャンセル件数が1万件に達するなど、影響が広がりました。観光産業の復興に向けて、県はさまざまなキャンペーンを実施して対策を講じました。

以上のように、2016年の鳥取県中部地震は多方面にわたる影響をもたらし、未だにその教訓は多くの人々に影響を与えています。

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