鳴尾・武庫川女子大前駅

鳴尾・武庫川女子大前駅：歴史と変貌を遂げた阪神本線の駅

はじめに

兵庫県西宮市里中町にある阪神電気鉄道本線鳴尾・武庫川女子大前駅（HS 13）は、地元住民の協力と武庫川女子大学との連携によって発展を遂げてきた駅です。本稿では、その歴史、駅構造、周辺環境、そしてアクセス方法まで詳細に解説します。

駅の歴史：明治時代からの歩み

1905年、鳴尾駅として開業した当駅は、当初、地元有力者である辰馬半右衛門氏らの土地提供によって現在の場所が選ばれました。このため、駅周辺は急カーブを描いており、電車が停車する様子は、まるで辰馬氏が手を挙げるだけで止まるかのようだったという逸話も残されています。

明治末期から戦前にかけて、鳴尾地域では苺栽培が盛んで、阪神電鉄は苺狩りイベントを開催するほどでした。駅舎自体は地上駅として長く利用され、北側にはレトロな変電所がランドマークとして存在していましたが、2009年の高架化工事によって解体されました。

2003年の都市計画決定、そして1981年の市議会での高架化請願採択を経て、2009年から甲子園駅～武庫川駅間の高架化工事が本格的に開始されました。2011年には上り線、2012年には下り線が仮設ホームに移設され、2015年と2017年にはそれぞれ下りホームと上りホームが高架化されました。この高架化事業は、第35回全国街路事業コンクールで国土交通大臣賞を受賞するなど、高く評価されています。

2019年、阪神電鉄と武庫川女子大学の包括連携協定締結を機に、駅名は「鳴尾・武庫川女子大前駅」に改称されました。

駅構造：バリアフリーにも配慮した高架駅

現在、鳴尾・武庫川女子大前駅は相対式ホーム2面2線を有する高架駅です。急カーブ上に位置しているため、列車とホームの間に隙間ができる箇所があります。改札口は大阪寄りの1階コンコースにあり、エレベーター、エスカレーター（上りホームのみ）、トイレも完備されています。かつては地下改札口や学生専用改札口がありましたが、高架化に伴い廃止されています。

なお、高架駅のデザインは武庫川女子大学建築・都市デザインスタジオが担当し、同大学の大学院生も設計に参画しました。

利用状況と周辺環境：大学と一体となった街づくり

2019年の1日平均乗車人員は12,510人で、阪神本線の中でも普通列車のみ停車する駅としては最多です。高架化後は、駅東側の高架下空間約700㎡に「武庫女ステーションキャンパス」、さらに約1,100㎡に「武庫女ステーションキャンパス・アネックス」が開設されました。これにより、レクチャールーム、金融機関、カフェ・レストラン、ジム、セミナー室などが集積するようになりました。

駅周辺では、高架化工事に合わせて土地区画整理事業も実施され、道路の拡幅や駅前広場の整備、商業施設の建設などが行われ、より利便性の高い環境が整備されました。

周辺施設

駅周辺には武庫川女子大学をはじめ、西宮市立西宮東高等学校、兵庫県立鳴尾高等学校、西宮市役所鳴尾支所、西宮鳴尾郵便局、明和病院、ららぽーと甲子園など多くの施設があります。

アクセス

最寄りのバス停は国道43号線上の「阪神鳴尾駅前」です。阪神バスが武庫川団地線、高須東線、鳴尾浜線などを運行しています。

まとめ

鳴尾・武庫川女子大前駅は、明治時代からの歴史と、近年の高架化、大学との連携による街づくりによって、大きく変貌を遂げた駅です。今後も地域住民と大学の協力によって発展を続けることが期待されます。

隣の駅

• - 武庫川駅
• - 甲子園駅

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