鹿児島市立病院

鹿児島市立病院概要

鹿児島市立病院（かごしましりつびょういん）は、鹿児島県鹿児島市の上荒田町に位置する公立医療機関で、1940年4月に開院しました。当病院は臨床研修指定病院であり、地域の基幹災害医療センターとしても重要な役割を担っています。病院を指す電停やバス停の名称「市立病院前」は、こちらの病院を指しています。

沿革

鹿児島市立病院の起源は、1893年に鹿児島県から無償貸与された私立鹿児島病院にさかのぼります。しかし、1907年には施設の改築費用を捻出できず、病院は県に返還されました。その後、新たに1940年に南林寺町の診療所を買収し、鹿児島市立診療所を設置、この診療所が病院の前身となりました。

1945年、患者数の増加を受けて「鹿児島市立病院」と改称されましたが、同年6月には鹿児島大空襲で病院が焼失。さらに移転先も空襲で被害を受けた後、尾畔病院分院の一部を利用しつつ、戦後は市役所本庁舎に仮診療所を置きました。

1948年に加治屋町に移転し、その後も病院の設備を改善。1962年には新たに病棟の改築と新設が完了しました。2012年には上荒田町の日本たばこ産業の跡地に病院を移転することが決まり、新病院には救命救急センター機能を強化した施設が設けられました。

新病院は2015年5月1日に開院し、旧病院から新病院へは、救急車や警察車両に先導された市営バスで患者を移送しました。旧施設は2017年に解体され、2018年には跡地に大河ドラマ館が開館。その後、2020年には「加治屋まちの杜公園」として整備されています。移転以前は、ヘリポートがないためドクターカーを用いて浜町ヘリポートまで移動していましたが、新病院ではヘリポートが設けられました。

診察科と機能

病院には多様な診療科が備わっており、医療技術科、看護科、薬剤科、臨床検査技術科、病理診断科、放射線技術科、リハビリテーション科などがあります。また、専門センターとして総合周産期母子医療センター、救命救急センター、脳卒中センター、新生児センターが設立され、充実した医療サービスが提供されています。

特に、新生児センターは日本一となる規模を誇り、1976年には日本初となる五つ子の誕生を実現しています。新生児専用のドクターカー「こうのとり号」も用意されています。

建物とアクセス

鹿児島市立病院の敷地面積は44,632m²、延床面積は52,606m²で、高さ41mの建物は地上8階建てです。交通アクセスは充実しており、鹿児島市営バスや南国交通の「市立病院前」バス停、さらに市電の「市立病院前」電停からも近い距離です。駐車場も650台分あり、来院しやすい環境が整っています。

このように、鹿児島市立病院は地域における重要な医療機関として、患者に対する質の高い医療を提供し続けています。

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