Ҋ

キリル[[文字]]の「Ҋ」（大文字）と「ҋ」（小文字）は、テール付きイークラトカヤと呼ばれ、キルディン・サーミ語という言語でのみ使用される特殊な文字です。この文字は、他の言語や文字体系では見られない独特な存在です。

文字の概要

この文字は、通常のキリル[[文字]]「Й, й」（イークラトカヤ）に尻尾のような記号が付加された形をしています。この特徴的な形状から「テール付きイークラトカヤ」と呼ばれています。Unicodeでは、大文字の「Ҋ」がU+048A、小文字の「ҋ」がU+048Bとしてそれぞれコードが割り当てられています。これにより、コンピュータ上でこの文字を正しく表示・処理することが可能です。

名称

キルディン・サーミ語では、この文字に特定の名称は付けられていません。そのため、この文字を指すときは、単に「テール付きのイークラトカヤ」と説明的に表現されます。一方、Unicodeでは「Cyrillic Letter Short I with Tail」という名称で定義されており、この文字がキリル[[文字]]の一種であり、「I」に似た音を表すことを示しています。

音素

この文字が表す音素は、国際音声記号（IPA）で/j/と表記される無声硬口蓋接近音です。日本語の「ヤ」行の子音に近い音であり、発音時には舌の中央部分を硬口蓋に近づけて息を摩擦させます。この音は、多くの言語において一般的な子音であり、キルディン・サーミ語においても重要な役割を果たしています。

使用される言語

この文字が使われるのは、キルディン・サーミ語のみです。サーミ語は、スカンジナビア半島北部を中心に居住するサーミ人が使用する言語の総称であり、キルディン・サーミ語はその一種です。この言語はロシア連邦のコラ半島で話されており、独自の文化と歴史を持っています。テール付きイークラトカヤは、キルディン・サーミ語の特殊な音韻を正確に表記するために不可欠な文字であり、この言語の書き言葉を特徴づける重要な要素となっています。

その他の関連情報

サーミ語：サーミ語は複数の言語からなり、それぞれが独自の文字体系や発音ルールを持っています。テール付きイークラトカヤは、その中でもキルディン・サーミ語特有の文字です。
Й：通常のキリル[[文字]]「Й, й」（イークラトカヤ）は、/j/の音を表す文字として広く使用されていますが、テール付きイークラトカヤとは異なる文字です。
* 符号位置：Unicodeにおける符号位置は、コンピュータで文字を扱うための重要な情報です。大文字「Ҋ」はU+048A、小文字「ҋ」はU+048Bに割り当てられています。

まとめ

「Ҋ, ҋ」（テール付きイークラトカヤ）は、キルディン・サーミ語という特定の言語でのみ使用される、独特のキリル[[文字]]です。この文字は、Unicodeで明確に定義されており、その音価は/j/の無声硬口蓋接近音です。この文字の存在は、キルディン・サーミ語の独自性を表すとともに、言語の多様性を示す一例と言えるでしょう。

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