ק

ヘブライ文字の「ק」（コフ）は、19番目に位置する文字であり、ヘブライ数字では100の数価を持ちます。文字名称は「クフ」（קוּף）とも呼ばれます。

音声

本来、「ק」はセム語に特徴的な強勢音/q/を表していました。具体的には、ヘブライ語のティベリア式発音においては、アラビア語の「ق」（カーフ）と同様に、無声口蓋垂破裂音/q/として発音されていました。しかし、現代ヘブライ語では、発音は変化し、無声軟口蓋破裂音/k/として発音されるようになっています。その結果、破裂音として発音される場合の「כ」（カフ）と発音が区別できなくなっています。

起源

「ק」の文字名称は、ヘブライ語でサルを意味する「קוף」（kof）と同じです。このことから、サンプソンは「ק」の文字がサルの頭を描いた象形文字に由来すると提唱しました。ただし、この説には異論もあり、文字の起源については確定的な見解が得られていません。著名な考古学者であるウィリアム・オルブライトは、この文字の起源について不明であるとしています。

このように、「ק」は、古代セム語の強勢音を表す文字から、現代ヘブライ語の/k/の音を表す文字へと、その音価を変化させてきました。文字の起源についても、サルの頭を描いたという説があるものの、確証は得られていません。その歴史的な変遷は、言語と文字の進化を示す一例と言えるでしょう。

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