「謳おう」EP

「謳おう」EP：ゆずの新たな一歩

2017年6月21日、日本の音楽シーンに大きな話題を提供する作品が誕生しました。それは、国民的アーティストであるゆずの、初のEP作品『「謳おう」EP』です。

この作品は、20周年を迎え、更なる高みを目指したゆずの挑戦を象徴するものでした。2週連続でのEPリリースという初の試み、そして、2つの異なるコンセプトで制作された楽曲群は、まさに「常にその先へ」という彼らの強い意志を表しています。

『「謳おう」EP』の特徴は、なんといっても全編を通して貫かれたアコースティックサウンドです。アコースティックギターの音色が中心となり、ゆずの繊細な歌声が際立つ、温かみのある仕上がりとなっています。

収録されている楽曲は、どれも聴き応え十分です。日本テレビ系『NEWS ZERO』のテーマソングとして書き下ろされた「カナリア」は、力強いメッセージと美しいメロディーが印象的です。一方、「タッタ」は、フジテレビ系『めちゃ×2イケてるッ!』の2017年テーマソングとして親しまれた、アップテンポで楽しい楽曲です。

さらに、弾き語り一発録りでレコーディングされた「天国」は、ゆずの飾らない、素朴な魅力が詰まった名曲です。岩沢厚治による詞曲で、ゆずの地元・横浜を想起させる「保土ヶ谷バイパス」も収録され、ゆずのルーツを感じさせる奥行きのある一枚となっています。そして、ボーカルバージョンとはまた違った魅力を持つ「カナリア(Instrumental)」も収録されています。これは、ゆずの楽曲においてインストゥルメンタルバージョンがCDに収録された初の試みです。

ジャケット写真、アーティスト写真、そして「カナリア」のミュージックビデオの撮影は、世界遺産である屋久島で行われました。大自然の中で佇むゆずの姿は、彼らの音楽の普遍性とメッセージ性を象徴しています。まさに、20周年以降の新たなゆずの幕開けを告げる、鮮烈な一枚と言えるでしょう。

制作過程においては、屋久島への撮影に向かう際に飛行機が欠航するというハプニングに見舞われ、陸路で鹿児島まで移動し、フェリーで種子島を経由して屋久島へ向かったというエピソードも語られています。

『「謳おう」EP』は、ゆずの公式サイトではEPとして分類されていますが、オリコンではシングルランキングにチャートインするという異例の記録も残しました。特に、翌週にリリースされた『「4LOVE」EP』と同時にデイリーランキングでトップ10にランクインしたことは、彼らの高い人気と実力を改めて示す結果となりました。

「カナリア」は『ミュージックステーション』で披露された際に、北川悠仁手書きの歌詞が表示される演出もされ、多くの視聴者の心を掴みました。楽曲制作には、UK（MOROHA）がギタリストとして参加していることも特筆すべき点です。

『「謳おう」EP』は、単なる音楽作品を超えた、ゆずの新たな挑戦と成長を凝縮した、記念碑的な作品と言えるでしょう。アコースティックサウンドによる温もりと、力強いメッセージ、そして、美しい映像作品との相乗効果が、リスナーに感動と共感を呼び起こす、そんな力を持った作品です。

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