『4LOVE』EP:2週連続リリースの軌跡と4つの愛の物語
2017年、デビュー20周年を迎えたゆずは、アニバーサリーイヤーを記念し、新たな挑戦として2週連続EPリリースという異例の企画を実行しました。その第2弾としてリリースされたのが、『4LOVE』EPです。
このEPは、前作『謳おう』EPと合わせて、20周年を機に制作された新曲を2つのテーマで分けた、いわばアルバム規模の作品と言えるでしょう。
2017年初頭から制作が始まり、「常にその先へ」という強い意志のもと、現在のゆずの音楽性を凝縮した内容となっています。
4つの愛をテーマにした多様な楽曲
『4LOVE』EPには、4つの愛をテーマにした楽曲と、それらのインストゥルメンタルバージョンが収録されています。
「愛こそ」: 伊藤園「お~いお茶」のCMソングとして起用され、先行配信されたリードトラック。軽快なメロディーと、普遍的な愛のメッセージが印象的な楽曲です。テレビ初披露は『テレ東音楽祭2017』で、ゆずにとってテレビ東京初出演となりました。ミュージックビデオは発売後約1週間後に公開されましたが、それよりも前に「YUZU 20th Anniversary DOME TOUR 2017 ゆずイロハ」福岡公演でのライブダイジェスト映像が公開され、話題を集めました。
「日常」:
岩沢厚治さん作詞・作曲による、日々の葛藤や迷いを乗り越え、前向きに生きる姿を力強く描いた楽曲です。
「ビーチ」: 夏の訪れを感じさせる爽やかな楽曲。
「ロンリーカントリーボーイ」: タイトルから想像されるように、どこか切なくも、自由な雰囲気を持つ楽曲です。
これらの楽曲に加え、それぞれのインストゥルメンタルバージョンも収録されており、楽曲の構成やアレンジメントをじっくりと楽しむことができます。「ビーチ」は、その後行われた『YUZU HALL TOUR 2017 謳おう』では唯一演奏されませんでした。
2週連続リリースの誕生秘話
当初は『謳おう』EPのみのリリースが予定されていましたが、
北川悠仁さんが『
ミュージックステーション』の楽屋で、事務所社長から2週連続リリースを提案されたことがきっかけで、この企画が実現しました。このエピソードは、ゆずのラジオ番組『ゆずのオールナイトニッポン』で語られています。
シングルランキングへのチャートイン
『4LOVE』EPは、ゆずの公式サイトではEPに分類されていますが、収録曲数が多いことから、オリコンの
シングルランキングにもチャートインするという、珍しい事例となりました。
まとめ
『4LOVE』EPは、20周年という節目を迎えたゆずが、新たな挑戦として提示した作品です。2週連続EPリリースという大胆な試み、多様な楽曲、そして制作秘話など、様々な要素が詰まった、ゆずの音楽史における重要な作品と言えるでしょう。楽曲一つ一つに込められたメッセージ、そして、その背景にあるゆずの強い意志を感じ取ることができる、聴き応えのある作品です。