「連帯」選挙行動

連帯選挙行動について

連帯選挙行動（れんたいせんきょこうどう、Akcja Wyborcza Solidarność、略称: AWS）は、ポーランドの政治において重要な役割を果たした政党連合です。この連合は、1996年にポーランド統一労働者党に対抗するために、多様な団体や政党が結集して形成されました。具体的には、キリスト教系の政党や団体、さらには非キリスト教系の政党や社会運動組織など、およそ40の組織が参加しました。

この連合は、穏健保守の立場を取っており、キリスト教の伝統的な価値観を重んじる一方で、市場経済の重要性を認めながらも、国家の役割にも注目していました。連帯選挙行動は、労使間の対話を重視し、農村の現代化や開発、さらには欧州連合（EU）への復帰を掲げて活動を展開しました。

1997年に行われた議会選挙では、AWSはセイム（下院）において33.8％の得票率を記録し、201議席を獲得しました。また、セナト（上院）でも51議席を手に入れ、両院で第一党となります。この結果として、AWSは自由連合（UW）と連立政権を組むことに成功し、首相にはイェジ・ブゼクが選ばれました。

しかし、のちにAWSは幾つかの困難に直面します。2000年10月の大統領選挙では、代表のクシャクレフスキ（Marian Krzaklewski）が敗北し、この敗北が連党に影響を及ぼすことになります。さらに、財政危機や地方制度、年金、医療、教育といった4大改革に関する混乱も重なり、AWSの支持率は低下していきました。

2001年になると、選挙を控えた様々な政党が次々とAWSから離脱していきました。市民プラットフォーム（PO）や法と正義（PiS）、選択肢－社会運動（Alternatywa-RS）などがその代表的な事例です。

同年に行われた議会選挙では、AWSに留まっていた社会運動やカトリック国民連盟、ポーランドキリスト教民主主義連盟を中核に、連帯選挙行動右派（AWSP）を結成しますが、期待した成果は得られませんでした。最終的にAWSは、5.6％の得票率に留まり、最低限必要とされる8％の議席阻止条項を突破することができず、全議席を失ってしまいます。

これにより、主要な勢力が脱退した結果、連帯選挙行動は自然に消滅する色合いを見せることになります。AWSの歴史は、ポーランドの政治におけるさまざまな変遷や、政党連合の形成と解体の過程を知る上で重要な一例です。

参考文献

• - ポスト社会主義諸国の政党・選挙データベース作成研究会編『ポスト社会主義諸国 政党・選挙ハンドブックⅠ』CIAS Discussion Paper No.9 (PDF)

もう一度検索