【es】 〜Theme of es〜

【es】〜Theme of es〜

日本のロックバンドMr.Childrenが1995年5月10日にリリースした8枚目のシングル「【es】〜Theme of es〜」は、バンドの音楽的進化を示す重要な一曲です。アートディレクター信藤三雄が手がけたこのシングルは、前作から約五ヶ月後の発表で、その間に桑田佳祐とのコラボレーションシングル「奇跡の地球（ほし）」もリリースされました。

背景と音楽構成

「【es】〜Theme of es〜」は、アコースティックギターから始まる穏やかな序章が特徴で、徐々にバンドの楽器やストリングスが加わり、壮大なサウンドに変化します。特にBメロに入る際の転調は自然に行われ、聴く者に心地よい変化を提供します。この楽曲は、ドキュメンタリー映画『【es】 Mr.Children in FILM』の主題歌として特別に制作されたため、映像と密接に結びついています。

歌詞とテーマ

楽曲制作はオーストラリアで行われ、逆にミュージックビデオが先に撮影されたという点が興味深いです。特に阪神・淡路大震災を題材にしたサビの歌詞「何が起こっても変じゃないそんな時代さ覚悟はできてる」は、当時の社会的背景を反映しています。歌詞のインスピレーションには、制作当時の桜井和寿のエッセイが使用され、「es」という言葉は心理学における「自我」を意味し、次作にもその影響が見られます。

チャート成績とパフォーマンス

「【es】〜Theme of es〜」は、リリース初週で52.1万枚を売り上げ、累計売上は157.2万枚を記録しました。特に4thシングル「CROSS ROAD」以降、連続でミリオンセラーを達成するという快挙を成し遂げています。この曲は「Mr.Children TOUR "REGRESS OR PROGRESS" '96〜'97」以降はしばらく披露されていませんでしたが、2010年には「ap bank fes」で約15年ぶりに演奏され、翌年のライブツアーでも再び披露されました。

音源とリミックス

このシングルには、4thアルバム『Atomic Heart』の収録曲「雨のち晴れ」のリミックスバージョンも収録されています。このバージョンは、ライヴバージョンとして制作されましたが、好評を受けて音源化が決定した逸話があります。映像作品としても評価され、2018年には「Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25」にも収録されています。

収録アルバムとカバー

「【es】〜Theme of es〜」は、その後様々なアルバムに収録され、Mr.Childrenの音楽史において重要な地位を占めています。また、マリエ・ディグビーによるカバーも行われ、さらなる広がりを見せています。

この楽曲がもたらすメッセージは、時間を経ても多くの人々の心に響き、Mr.Childrenの持つ音楽の力を証明するものとなっています。

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