ああ播磨灘 (メガドライブ)

ああ播磨灘（メガドライブ）

『ああ播磨灘』は、1993年にセガ・エンタープライゼスから発売されたメガドライブ用ソフトです。「遊ぶと強くなる横綱ゲーム」というキャッチコピーが付けられた、相撲を題材にした異色の対戦アクションゲームとして知られています。

概要

本作は、『バトルゴルファー唯』や『マージャンCOP竜』など、個性的な作品を開発してきたメガソフト（後にセガに吸収合併）の「チーム金山」が手掛けました。プロデューサーの「きんちゃん」がストーリーや演出を担当し、原作が未完結だったこともあり、ゲームオリジナルの展開やラスボスが登場するなど、独自の要素が盛り込まれました。相撲パートもきんちゃんが担当することになり、開発が遅延したというエピソードも残っています。

一応スポーツゲームとして分類されていますが、実質は対戦型格闘ゲームに近く、ジャンプ攻撃や必殺技など、実際の相撲とはかけ離れたアクションが特徴です。しかし、初戦では必殺技「火閻張り手」一発で相手を土俵外まで吹き飛ばすなど、原作の豪快さを再現しようとする試みも見られます。グラフィックは原作者のアシスタントが担当しており、原作の雰囲気を忠実に再現しています。また、きんちゃんの声がアニメ版の播磨灘役である大塚明夫に似ていたことから、主人公をはじめとする全てのキャラクターボイスをきんちゃんが担当しました。

エンディングテーマの「播磨体操第一」は、きんちゃんの声質に着目したサウンド担当の村崎が悪ノリで制作し、プログラマーも加わって完成したという逸話があります。この曲は、難易度「横綱」でクリアするか、特定のパスワードを入力することで視聴可能です。

ゲームシステムとしては、1回でも敗北すると即ゲームオーバーになりますが、回数制限付きでコンティニューが可能です。

反響

大味なゲーム性と「播磨体操第一」に象徴される悪ノリから、本作はメガドライブ中期を代表するクソゲーとして、専門誌『BEEP! メガドライブ』で絶大な人気を博しました。その人気は衰えることなく、『メガドライブ ミニ2』にも収録されるに至っています。また、「播磨体操第一」は、ファン投票によるコンピレーションアルバム『セガコン』にも収録されました。

作者のツイートによると、70連勝が必要だった理由も明かされています。

評価

パンチやジャンプなど相撲とは無関係なアクションや、70連勝しないとゲームオーバーになる高難易度から、相撲ゲームとしての評価は高くありません。しかし、『BEEP! メガドライブ』誌の読者レースを賑わせたクソゲーとして、その名は広く知られています。通称は「横綱播磨灘」。同誌の読者レースでは、「ク〇ゲー(笑)」「E.本〇」「大うつけ者」などと酷評されながらも、最終的には「バカゲー」として読者に認められました。特に、「播磨体操第一」（通称「相撲ラップ」）は人気を博しました。

一方で、レビュワーの評価はそこまで悪くなく、ファミ通では『ストII』ライクなゲーム性が評価されています。

セガからはメガドライブ版と同時期にゲームギア版も発売されましたが、こちらはさらに評価が低く、専門誌の読者レースで史上初の2点台を記録し、「播磨GG皇帝」の称号を得ています。

移植版

メガドライブ
ゲームギア

関連項目

* ザ・スーパー忍II：本作と同時期に、メガソフトの別のチームが開発を担当。一部の開発メンバーが重複しており、ゲームの雰囲気が似ている。

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