あおがしま丸

あおがしま丸について

あおがしま丸（あおがしままる）は、伊豆諸島開発が運航する貨客船であり、主に東京港辰巳（または芝浦）や静岡県伊東港から、伊豆諸島内の各島へ不定期に船便を提供しています。この船が就航する以前は、八丈島と青ヶ島を結ぶ定期船が存在していましたが、老朽化に伴い新たな船の導入が決定されました。

船の経緯と導入背景

あおがしま丸が就航する前は、20年以上の歴史を持つ旅客船還住丸（119t）と貨物船黒潮丸（440t）が青ヶ島と八丈島の間を結んでいました。しかし、還住丸は小型で揺れが激しく、就航率が約50%と非常に低いものでした。そのため、青ヶ島の住民にとって唯一の生活の足となるこの航路を安定させるため、航路経営の効率性を考慮し、大型化した貨客船の導入が決まったのです。

新造船の建造計画には、鉄道建設・運輸施設整備支援機構と協力した共有建造方式が採用され、より快適で安定したサービスを提供できるようになりました。

航路の詳細

あおがしま丸は以下の航路を運航しています：

• - 貨物航路: 東京港芝浦（または辰巳）埠頭、静岡県伊東港 - 伊豆諸島各島
• - 旅客航路: 八丈島 - 青ヶ島（所要時間約3時間）。運休時には、くろしお丸やははじま丸のドック修繕に合わせて航路が運航されます。

以前は八丈島八重根漁港を利用していましたが、船の大型化に伴い主に底土港が使用されるようになりました。これにより航路は約7km短くなりましたが、高速運航により所要時間は同等に保たれています。また、底土港の変更により、東京と八丈島間の乗り継ぎも格段に便利になりました。

毎週日曜日は運休日であり、木曜日（隔週で水曜日も）には東京港での貨物積み込みのため、八丈島と青ヶ島間の航路が運休となる点に注意が必要です。しかし、青ヶ島港は風浪や潮流の影響を受けやすく、就航率は60%から70%の範囲にとどまっています。

2022年2月下旬、新たに就航した「くろしお丸」により、あおがしま丸は先代のゆり丸の役割を引き継ぎ、主に不定期の貨物運航に従事していますが、くろしお丸やははじま丸のドック修繕時には再び八丈島 - 青ヶ島航路に就航することがあります。

最新の動向

2024年3月には、機関室の火災を受けて長期運休していた鹿児島県十島村の定期船「フェリーとしま2」の代船として、あおがしま丸が傭船され、鹿児島から十島村の各島および名瀬との間の運航に就いたことが報告されています。

船室の情報

すべての旅客は、あおがしま丸の2等船室を利用することができます。大人数での利用や長時間の移動を快適に過ごせる設計になっています。

参考情報

あおがしま丸は、伊豆諸島開発株式会社の運営する重要な交通手段で、地域の人々に欠かせない存在となっています。伊豆諸島の交通改善と発展に向けた取り組みの一環として、その役割はますます重要性を増しています。

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