あおくも (護衛艦)

あおくも（JDS Aokumo, DD-119, TV-3512）

あおくもは、海上自衛隊に所属する護衛艦であり、やまぐも型護衛艦の4番艦として知られています。この艦は、1970年に起工され、1972年に就役しました。艦名の「青くも」は「青雲」を意味し、特に青みを帯びた灰色の雲を連想させる名称です。この艦名は、帝国海軍および海上自衛隊において初のものであるとされています。

艦歴の要点

あおくもは、第3次防衛力整備計画のもとで建造されました。住友重機械工業の浦賀工場で1970年10月2日に起工され、1972年3月30日に進水、同年の11月25日には就役を果たしました。その後、同日付で第2護衛隊群に編入され、佐世保に配備されました。1970年代には遠洋練習航海に参加し、特に1976年には、護衛艦「あきぐも」、潜水艦「なるしお」、およびP-2J 8機と共にハワイに派遣される訓練にも参加しました。

事故とトレーニング

1979年10月、長崎県の寺島泊地にて、あおくもは僚艦「あきぐも」とのレーダーを使用しない夜間投錨訓練中に接触事故を起こしました。この事故によって「あきぐも」には水線上に破孔が生じ、あおくもには小さな亀裂が発生しましたが、幸いにも負傷者はなく、両艦は無事でした。

1982年3月には、第23護衛隊が第4護衛隊群に編入され、その際に定係港も大湊へと移転しました。1990年には再度、編成替えが行われ、大湊地方隊に配属されました。1993年には、北海道南西沖地震の際に災害派遣活動にも従事し、災害救助活動に貢献しました。

役割の変化

1997年3月には隊番号が改正され第25護衛隊に改称され、その後1999年に練習艦に種別変更され、艦籍番号もTV-3512に変更されました。この変更によって、艦は練習艦隊第1練習隊に編入され、定係港も呉に転籍しました。

最終的に、あおくもは2003年6月13日に除籍されることになります。彼女は就役中に820,117浬を航行し、これは地球を約41周分に相当します。このような航海経験は、海上自衛隊の護衛艦としての重要な役割を果たした証でもあります。

将来、あおくもはその功績をうけて、歴史の一部として記憶され続けることでしょう。

参考文献

• - 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）
• - 『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』（海人社、2004年）
• - 『世界の艦船』第750号（海人社、2011年11月号）

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