あおはるデミデイズ

『あおはるデミデイズ』は、漫画家・猫星にゃ～が手掛ける日本の4コマ漫画作品です。この作品は、コミックスマートが運営するウェブコミック配信サービス『GANMA!』にて連載されており、思春期の少年少女が織りなす、独特な設定下での恋模様をコミカルに描いています。

作品概要と世界観

物語の舞台となるのは、一部の若者が思春期を迎える際に、身体に動物や時には異形の性質を持つ特徴が発現する、というファンタジックな要素が組み込まれた世界です。こうした身体的特徴が現れた人々は「亜人」と呼ばれます。しかし、この作品の世界では、「亜人」であるか否か、つまり見た目の違いは、彼らの間に芽生える純粋な恋心にとっては障壁とはなりません。

物語は、この「亜人」とそうでない「人間」、あるいは「亜人」同士の間で繰り広げられる、様々な形の恋愛模様を追っていきます。思春期特有の悩みや葛藤、そして瑞々しい恋心が、「亜人」という設定を通して描かれる点が特徴です。

構成形式

本作はオムニバス形式で構成されているため、特定の固定された主人公は存在しません。エピソードや章ごとに焦点を当てるキャラクターやカップルが変わり、それぞれの視点から物語が展開されます。これにより、読者は多様なキャラクターたちの「あおはる（青春）」と「デミ（亜人）」な日常を垣間見ることができ、様々な形の恋や人間関係の物語を楽しむことができます。

主な登場キャラクターとエピソード

作中には、個性豊かなキャラクターたちが多数登場し、それぞれの関係性を築いていきます。物語を彩るカップルたちの幾つかを紹介します。

優くんとミノちゃん編: 素直になれない少年・優が主人公。彼は牛の特徴を持つ亜人の少女・美濃に好意を寄せていますが、愛情表現が苦手で、ついからかうような言葉を投げかけてしまいがちです。美濃は体格が良いことを気にしているため、優の言葉に激怒し、強力な掌底をお見舞いするのがお約束の展開となっています。当初は髪を脱色していた優ですが、美濃の言葉を受けて黒髪に戻しています。二人の友人である家庭科部のはなも、彼らの日常に関わってきます。
帝くんと有栖川さん編: この章の主人公は、インキュバスの亜人である少年・帝です。彼は熱心なオタク趣味の持ち主で、同じくオタク趣味を持つ少女・有栖川に密かに想いを寄せています。共通の趣味を通じて友人関係となった二人の、もどかしくも微笑ましい関係性が描かれます。
* 松平くんと久尾さん編: 生真面目な風紀委員長である少年・松平が主人公を務めます。彼の相手は、キツネの亜人である少女・久尾。見た目は華やかなギャル風ですが、実はキツネの特性を持っています。対照的な性格と外見を持つ二人の間に生まれる恋の行方が描かれます。

これらのエピソードは物語の一部であり、他にも様々な「亜人」と「人間」たちが登場し、それぞれの青春を謳歌しています。

書誌情報

本作の単行本は、TOブックスより刊行されています。第1巻は2018年3月1日に発売されました（ISBN: 978-4864726733）。（※情報は発行当時のものです。）

連載状況

『GANMA!』での連載は、第一部が2016年 11月4日に開始され、2019年5月14日まで掲載されました。現在も連載は継続中です。

作品の魅力

『あおはるデミデイズ』は、思春期特有の繊細な感情や恋のときめきと、「亜人」というファンタジックな設定が見事に融合しています。見た目の違いによるコンプレックスや他者との関わりにおける難しさといった側面も描かれつつ、それを乗り越えていく恋や友情の温かさが物語の核となっています。キャラクターそれぞれの個性が際立っており、読者は等身大の彼らの感情に共感し、彼らの成長を見守ることができます。4コマ漫画という形式を活かしたテンポの良い展開と、キュンとする恋愛模様、そして思わず笑ってしまうコメディ要素が詰まった、魅力的な青春群像劇です。

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