ISBN

ISBNについて

ISBN（International Standard Book Number）は、書籍や資料を一意に識別するための国際標準コードです。この番号システムは、英語の略称たから採られたもので、日本では「国際標準図書番号」とも呼ばれています。

歴史背景

ISBNの起源は1965年にさかのぼり、イギリスのトリニティ・カレッジに在籍していたゴードン・フォスターによって、SBN（Standard Book Number）が開発されることから始まりました。当時、コンピュータの登場により、書籍管理の効率性を高めるために統一型の番号が求められていたことが背景にあります。このSBNは翌年から英国国内で使われ始め、さらに1967年には今日のISBNの基礎となるアルゴリズムが確立されました。1970年には国際標準化機構（ISO）によって正式に採用され、ISO 2108として規定されました。

ISBNの特徴

ISBNは、単行本や漫画、CD-ROM、カセットテープ、マイクロフィルムなど、さまざまな出版物に適用されます。ただし、日本の雑誌についてはISBNではなく雑誌コードが用いられます。また、出版物の内容が同じでも形態が異なる場合は、それぞれに異なるISBNが割り振られます。たとえば、ある小説が単行本、文庫本、電子書籍として出版される場合、それぞれ独自のISBNを持つことになります。さらに、一度付与されたISBNは絶版になっても再利用されることはありません。

旧規格と現行規格

ISBNは、2006年12月31日までの旧規格（ISBN-10）では10桁の番号で示されます。10桁のISBNは、通常4つの部分に分かれ、各部分の組み合わせによって出版物を特定します。具体的には、以下のように構成されています。

• - `●`部分 - グループ記号。出版物の発行国・地域を示す。
• - `A`部分 - 出版者記号。出版社に固有の番号です。
• - `B`部分 - 書名記号。書籍の特定に用いられます。
• - `C`部分 - チェックディジット。入力の誤りを確認するための数値です。

しかし、出版点数の増加に伴い、2007年には13桁のISBN（ISBN-13）が導入されました。新規格では、一番左側の部分が接頭記号（978または979）で始まり、続いてグループ記号、出版者記号、書名記号、チェックディジットが続きます。これにより国内外の書籍がより効果的に管理されるようになりました。

各国におけるISBN

日本では、1981年にISBN国際基準に加盟し、1988年にはJIS X 0305に準拠する形で国内のISBNが初めて実施されました。日本国内では、一般社団法人日本出版インフラセンターがISBNの管理を行っています。この管理体制により、個別の出版社がISBNを手続きの上で取得し、使用することが可能です。

ISBNは書籍流通における基盤を支える重要なコードであり、発行された書籍の管理や販売促進に寄与しています。これにより、消費者も容易に書籍を特定し、購入することが可能になります。

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