あきづき (護衛艦)

あきづき（JDS Akizuki, DD-161, ASU-7010）

あきづきは、海上自衛隊に所属する初代あきづき型護衛艦の1番艦であり、その名前は「秋の月」から取られています。また、日本の艦艇としては、秋月型駆逐艦の「秋月」に続く2代目としてこの名を受け継いでいます。

艦歴の概要

あきづきは、日米の相互防衛援助協定に基づき、米国から供与される艦艇の一つとして三菱重工業長崎造船所で建造されました。1958年7月31日に起工し、1959年6月26日に進水、1960年2月13日にはアメリカ海軍の「DD-960」として就役しました。その後、海上自衛隊へ供与され、横須賀地方隊に編入されました。

進水式では、在日アメリカ海軍司令官の夫人が綱を切るセレモニーが行われ、引渡し式では、アメリカ海軍の水兵によって星条旗が掲揚された後、海上自衛隊の自衛艦旗が掲揚されました。1960年7月1日には自衛艦隊に直轄艦として編入され、1961年7月26日には護衛艦「ゆきかぜ」に代わって第3代自衛艦隊旗艦に任命されました。

主な任務と改装

1963年3月31日に自衛艦隊司令部が陸上に移転し、旗艦制度が廃止されたため、翌日の4月1日に護衛艦隊に直轄艦として編入され、その年の12月には護衛艦「てるづき」に代わって第2代護衛艦隊旗艦となりました。

1968年3月には艦尾にある爆雷投下機器が撤去され、VDS（可変深度ソナー）が装備されました。その後、1978年4月に特別改装工事を受け、Mk.108対潜迫撃砲やMk.2短魚雷落射機が撤去された結果、71式ボフォース・ロケット発射機や3連装短魚雷発射管が新たに装備されました。また、1985年3月27日には護衛艦隊旗艦の任を「むらくも」に譲り、特務艦に類別変更された際には艦籍番号もASU-7010に変更され、再び横須賀地方隊に編入されました。

その後、1987年3月24日には開発指導隊群に編入され、1989年には5インチ砲の3番砲塔が撤去され、後甲板には曳航式ソナー（TASS）が搭載され、実用試験に従事しました。この艦は合計675,906.69浬の航海を行い、おおよそ地球を22周したことになります。1993年12月7日には除籍され、その間に練習艦隊の旗艦として5回の遠洋練習航海に参加しました。

脚注と参考文献

あきづきの歴史や性能については、以下の文献が参考になります。

• - 『丸スペシャル』第59号（潮書房、1982年）
• - 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）
• - 『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』（海人社、2004年）
• - 阿川尚之『海の友情 米国海軍と海上自衛隊』（中公新書、2001年）
• - 『世界の艦船』第750号（海人社、2011年11月号）

このように、あきづきは海上自衛隊の中で重要な役割を果たしてきた艦艇であり、その運用は多岐にわたりました。

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