あこがれ共同隊

あこがれ共同隊

『あこがれ共同隊』（あこがれきょうどうたい）は、TBS系列で1975年の6月から9月まで放送されたテレビドラマです。この作品は、当時のトップアイドル、郷ひろみ、西城秀樹、桜田淳子の3人が共演し、視聴者の間で大きな話題となりました。放送は金曜日の夜8時から1時間枠で行われ、郷ひろみが冒頭で高村光太郎の詩を朗読するシーンが印象的でした。また、特殊なことに、番組は一度も再放送されず、ソフト化もされていないため、現在では入手が難しい作品となっています。

あらすじ

このドラマは、原宿・表参道を舞台に、シラケ世代とは違った情熱を持つ若者たちの姿を描きました。原宿は当時、日本で最もファッショナブルな街として注目を集めており、ドラマの舞台設定として非常に魅力的でした。主人公・八田広介（郷ひろみ）は、高級紳士服店の社長の息子でありながら、父との衝突から独立し、一流デザイナーを目指すトレンディな青春物語です。

主要キャスト

• - 郷ひろみ（八田広介）：20歳で、父を許せず家を出た青年。
• - 西城秀樹（畠山竜也）：大学生で、マラソンを愛する酒屋の息子。
• - 桜田淳子（黒沢明子）：竜也の恋人で、原宿で店を営む。
• - 三田佳子（黒沢令子）：明子の姉で、八田の父の愛人。

このキャスティングは、プロデューサー今里照彦が新御三家の中で一番の俳優としての素質があると評価した郷、西城、桜田を主役に抜擢したことで実現しました。

制作の背景

プロデューサーの今里は、歌謡番組での経験を活かし、アイドルドラマという新たな形に挑戦しました。その結果、アイドルを主演に据えたドラマが制作されました。この取り組みは、後のドラマや音楽番組に影響を与えることとなる先駆的な試みでした。

撮影の工夫

本作では、TBSテレビの最大のGスタジオに様々なセットを作り、原宿を再現しました。郷と西城の初対面のシーンなど、ロケも行われ、リアリティを追求しました。特に、西城が死に向かうエピソードの撮影では、ファンの動揺が広がる中、彼自身が冷静に対応し、ドラマ撮影を成功に導いたエピソードがあるほどでした。

音楽と視聴率

主題歌は山田パンダが担当し、放送当時の音楽シーンにも影響を与えましたが、初回視聴率は7.6%と予想を下回り、全17回に短縮される結果となりました。プロデューサーは「内容自体は十分に鑑賞に耐えられる」と語りながらも、この低視聴率の理由に悩まされました。

最後に

『あこがれ共同隊』は、視聴者に青春や憧れの姿を届けた作品として、今なお多くの人々に語り継がれる存在です。特に、郷ひろみや西城秀樹のファンにとっては、彼らの若き日の姿を感じられる貴重なドラマであると言えるでしょう。

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