あさげ

あさげの魅力と歴史

あさげは、永谷園が手掛ける即席味噌汁シリーズで、非常に人気があります。その名前は日本語の「朝餉（あさげ）」に由来し、朝食や早朝の食事を意味しています。この商品は、テレビCMでプロの落語家が「うまいねえ、これでインスタントかい？」と語ることで更に知名度が上がりました。あさげは、特にフリーズドライ製法を用いたインスタント味噌汁として知られており、同社の主力商品であり続けています。

商品ラインナップ

あさげシリーズには、あさげ、その姉妹ブランドとしてのゆうげ、ひるげの3種類があります。主な具材には板麩、わかめ、ネギが使われており、各商品の味噌は異なります。あさげは米みそのブレンドを、ゆうげは白みそ、ひるげは豆みそ（赤だし）を使用しています。特筆すべきは、名古屋テレビの番組『ドデスカ!』での紹介で、あさげが全商品の中で60％のシェアを持っている事実です。ひるげは東海地方限定という話もありますが、公式な情報ではその制限は確認されていません。

歴史的背景

日本で初めて発売された即席味噌汁は1960年代にさかのぼりますが、その頃の製造方法は味が劣ると言われていました。永谷園の創業者である永谷嘉男は、もっとおいしい味噌汁が求められると考え、プロジェクトのリーダーに能登原隆史を任命しました。このチームは伝統的な味を再現しようとしましたが、乾燥臭が残ってしまうという課題に直面しました。そこで、彼らはインスタントコーヒーに用いられていたフリーズドライ製法に注目し、これを味噌汁にも応用しました。その結果、豊かな風味を持つ味噌汁の完成へとつながりました。

発売と成長

1974年2月に「あさげ」が発売されると、即座にその味が評判になり、全国規模での試食販売を行い、さらに多くの人々にこの製品の魅力をアピールしました。CMには落語家の5代目柳家小さんが出演し、彼女のユーモラスな演技は多くの視聴者に共感を呼び、さらに1975年度のACC賞を受賞しました。これをきっかけに、あさげは初年度に14億円、翌年には36億円の売り上げを記録し、他社製品に対して優位な立場を獲得しました。

さらに1975年には「ゆうげ」、1976年には「ひるげ」が続いて発売され、あさげシリーズのラインナップは広がりました。1981年には競合他社である旭松食品が生みそタイプの即席味噌汁を発表し話題になりましたが、永谷園も1985年に対抗して生みそタイプのあさげシリーズを市場に出しました。

多様な商品展開

その後もあさげは多様な商品展開を続け、1988年にはカップタイプ、1993年には弁当用のタイプなど、消費者のニーズに応じたラインナップを増やしていきました。1995年にはロングセラー賞を受賞し、2004年には中国市場にも進出しました。さらに新たなバリエーションとして2007年には麦みそを使用した「あさげ 麦みそ」を発売し、2016年には「減塩タイプ」もリリースするなど、常に新しい挑戦を続けています。

まとめ

あさげの歴史は、ただのインスタント味噌汁ではなく、消費者へのひとつの提案や文化をも創造する過程でした。日々の食卓においてその豊かな風味と便利さは、多くの人々に愛され続けています。日本が誇るこの即席味噌汁は、これからも多くの家庭に新しい味の体験を提供することでしょう。

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