永谷嘉男

永谷嘉男：革新的な食品で日本の食卓を変えた実業家

永谷嘉男（ながたに よしお）は、1923年5月16日に東京府東京市で生まれ、2005年12月28日に82歳で亡くなった日本の実業家です。彼は、永谷園の創業者であり、同社の名誉会長を務めました。永谷宗円の子孫の一人でもあります。

戦後の混乱期を乗り越え、お茶漬け海苔で成功

東京市立京橋商業学校を卒業後、太平洋戦争に従軍した永谷嘉男は、復員後に実家の茶の製造業再建を目指しました。そこで、彼は「江戸風味お茶づけ海苔」を開発し、1952年に発売しました。この商品は、瞬く間に大ヒットし、永谷園の基礎を築きました。

革新的なアイデアで数々のヒット商品を開発

1953年には、株式会社永谷園本舗（現・株式会社永谷園ホールディングス）を設立。永谷は、日本の和風料理に革新的なアイデアを取り入れ、インスタントの味噌汁（あさげ等）、お吸い物をはじめ、寿司のもと「すし太郎」やふりかけなどを次々と開発・販売しました。

「味ひとすじ」のキャッチコピーのもと、お茶漬け海苔を含め、永谷が足繁く通った居酒屋のメニューからヒントを得た数多くの看板ヒット商品を開発しました。これらの商品は、日本の食卓に新しい風を吹き込みました。

積極的なコマーシャル戦略

永谷は、コマーシャル活動にも積極的でした。ザ・ドリフターズ（ふりかけ）、北島三郎（お茶漬け海苔）、和田アキ子（チャーハンの素）など、当時の人気芸能人をCMモデルに起用し、商品の認知度向上に大きく貢献しました。

ユニークな企業経営

企業経営においても、永谷はユニークな取り組みを行いました。1979年に導入した「ぶらぶら社員制度」は、社員に長期間自由な行動をさせるというもので、その斬新さが話題となりました。

社会的評価と晩年

永谷嘉男は、その功績が認められ、1993年に勲四等瑞宝章を受章しました。2005年12月28日、心不全のため82歳で亡くなりました。墓所は増上寺にあります。

家族

父：永谷武蔵
長男：永谷栄一郎（1954年生） - 永谷園ホールディングス取締役会長代表取締役
次男：永谷泰次郎（1956年生） - 永谷園ホールディングス取締役社長代表取締役兼海外事業本部長
弟：永谷宗次（1926年生） - 永谷園元会長

永谷嘉男は、その生涯を通じて、日本の食文化に大きな影響を与えました。彼の開発した商品は、現在も多くの人に愛されています。

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