あすという日が

「あすという日が」について

「明日という日が」は、詩人・山本瓔子による詩で、後に楽曲が作られました。この詩は、初めて収録された詩集『山本瓔子詩集I 心のメッセージ しあわせの角度』（新風舎刊）に掲載され、さらに2011年7月には同タイトルの詩集がアスコムから出版されました。これに基づいて作曲された楽曲は、八木澤教司が手掛けており、特に東日本大震災復興支援の象徴的な曲として知られています。

楽曲の背景と意義

この楽曲は、2006年に大阪府池田市で行われた第30回全日本合唱教育研究会全国大会のために作られました。山本瓔子の詩に八木澤教司が曲をつけ、大阪市立文の里中学校の生徒たちによって初披露されました。しかし、2011年3月11日の東日本大震災がこの曲に新たな意義を与えることになりました。すぐにこの楽曲は、震災によって多くの人々が希望を必要としている中で、被災者に向けて歌われるようになりました。

特に、仙台市立八軒中学校の生徒たちが避難所からこの曲を歌った際の映像が報じられ、曲が全国的に広まりました。「あすという日が」は、その後、復興支援のシンボルとして多くの人々に愛されるようになったのです。

「SING ALL JAPAN」プロジェクト

震災の影響を受けた地域の復興を支援するために発足した「SING ALL JAPAN」プロジェクトでは、この楽曲がCD化され、さまざまな販売チャネルを通じて広まりました。様々なアーティストがリリースに参加し、この曲のメッセージを広げていきました。

カバーアーティストと伝統

2011年9月21日には、歌手の夏川りみと秋川雅史がこの曲をそれぞれのアレンジでカバーし、同時にリリースを行いました。二人はNHK紅白歌合戦で共演し、観客に大きな感動を与えました。このデュエットバージョンは後に秋川のベストアルバムに収録され、長年にわたって愛され続けています。

COVID-19の影響下での再生

新型コロナウイルス感染症の影響で自粛期間が続く中、2020年3月には海上自衛隊横須賀音楽隊がこの曲を再度選び、国民への応援メッセージとして演奏動画を配信しました。作曲家の八木澤も震災から10年が経つ中で、「震災の記憶を風化させてはいけない」との思いから新たな応援歌『南風が吹いたら』を制作し、歌の力で被災地を支援する意義を再確認しました。

音楽作品としての広がり

「あすという日が」は、多くのアーティストによってカバーされています。2012年から2018年にかけて、国内外の著名なアーティストがこの楽曲を取り上げ、アルバムに収録しています。また、声楽アンサンブルのコンテストやイベントでの演奏も行われており、教育現場でも小学生の合唱曲としても親しまれています。

この曲は、その美しいメロディと深いメッセージにより、多くの人の心に響く作品として今後も愛され続けることでしょう。

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