あぶれもん

あぶれもん

『あぶれもん』は、作画の嶺岸信明と原作の来賀友志が手掛けた日本の麻雀漫画。当作品は全4巻、合計39話から成り、近代麻雀コミックス（竹書房）から出版されています。この物語は、横浜の南部に位置する弘明寺という小さな街を舞台に展開されます。

あらすじ

弘明寺は、喜怒哀楽の人間の感情を11面観音に例えられる豊かな情緒を持つ地域です。その街には二つのフリー雀荘、「善元」と「かり田」が存在し、ここから麻雀界の伝説を作る二人の天才雀士が登場します。轟健三と新堂啓一、この二人は観音橋で出会い、物語の序章が始まります。彼らは互いに切磋琢磨する中、その評判を耳にした裏社会の元締め・甲斐が彼らの対決を取り持とうとします。

最初の戦いは緊迫した展開を見せ、「善元」のチームが3勝2敗で優位に立ちますが、対戦の合間に轟がった事故により、戦いは引き分けに終わります。この事件をきっかけに、甲斐の希望から轟は新堂を連れて弘明寺を離れ、全国各地での麻雀修行の旅に出発します。

最初に東京で圧勝した二人は、次の地へ進む際に鹿児島で待ち受ける鹿戸剛史に遭遇します。激しい戦闘が繰り広げられる中、轟と新堂は場面ごとに異なる戦略と技を駆使し、鹿戸に勝利します。その後の博多でも苦戦しつつも勝利を収めますが、二人は異なる道を選び、轟は大阪へ、新堂は四国へと分かれて旅を続けます。

大阪では轟がその傑出した実力で名を売り、新堂は四国で舎心滝雲という伝説的な雀師との出会いを果たします。

主要登場人物

• - 新堂啓一（しんどう けいいち）: 本作の主人公で、弘明寺街の神童として名を馳せる。彼の情熱は麻雀へと傾倒していく。
• - 轟健三（とどろき けんぞう）: 「善元」のエースで、運と博打の厳しさを併せ持つ最強の雀士。
• - 吾郎（ごろう）: 「かり田」の雀ゴロで、場の雰囲気を盛り上げる。
• - 武士（たけお）: 轟のオヒキ。
• - 熊彦（くまひこ）: 「かり田」のマスターで、特異な博才を持つ。
• - 英介（えいすけ）: 啓一の兄弟分で、強固なサポートを行う。
• - 鹿戸剛史（しかど たけふみ）: 鹿児島の頭目で、圧倒的な強さを誇る取り組みを示す。
• - 舎心滝雲（しゃしん りゅううん）: 四国随一の盲目の打ち手で、後の麻雀界に大きな影響を与える。

『あぶれもん』は単なる麻雀の戦いを越え、選手たちの成長や友情、そして人生の選択を描いたドラマでもあります。物語を通じて、感情の起伏や人間関係に触れながら、読者は深い感動を体験することができる作品です。

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