あやめ2号

あやめ2号について

あやめ2号（英語: Experimental Communications Satellite - b、ECS-b）は、日本の宇宙開発事業団（NASDA）によって打ち上げられた人工衛星の一つで、実験用静止通信衛星としての役割を持っていました。1980年2月22日に種子島宇宙センターからN-Iロケットの6号機によって打ち上げられましたが、静止衛星軌道への投入には失敗しました。

目的と背景

あやめ2号の主な目的は、ミリ波周波数帯を使用した通信実験や電波伝播特性の調査でした。また、追跡管制技術や姿勢制御技術など、静止衛星に関連する技術の確立も目指していました。これは、通信衛星の性能向上を図るための重要なステップとなる実験だったのです。

特徴

あやめ2号はあやめのプロトフライトモデル（PFM）として製作され、設計や機器構成はすべてあやめと同一でした。このことから、実験に必要な条件に適応し、前回の打ち上げのデータや経験を活かすための意図があったことが伺えます。他の人工衛星と同じように、あやめ2号は高度な技術を駆使して製造されたものでした。

打ち上げとその結果

打ち上げ当日、あやめ2号は静止トランスファ軌道に投入された後、2月25日13:46にアポジモータに点火し、ドリフト軌道への移行を試みました。しかし残念ながら、点火から8秒後に衛星との通信が途絶し、静止軌道への投入に失敗が明らかとなりました。

この失敗の原因としては、エアロジェット製のアポジモータに関する問題が指摘されています。具体的には、輸入したアポジモータが爆発したことが挙げられ、その後の調査で、あやめと本機に用いられたものと同じロットのアポジモータには製造に関する欠陥が存在することが分かりました。このような事態により、泡や剥離などの問題が見つかり、結果として日本の宇宙技術に大きな影響を与えることになりました。

この失敗を受け、宇宙開発事業団は国産アポジモータの開発に着手することとなり、今後の人工衛星開発における技術革新へとつながっていきました。

脚注

このように、あやめ2号は日本の宇宙開発において一つの重要な転機となりました。打ち上げの失敗は痛手でしたが、それが新たな技術開発につながる道を切り開いたと言えるでしょう。

関連項目

• - N-Iロケット
• - 宇宙開発
• - 人工衛星の軌道
• - あやめ (人工衛星)

外部リンク

• - 実験用静止通信衛星「あやめ(ECS)」(JAXA)
• - 宇宙航空研究開発機構資料編 (PDF)

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