ありな書房

ありな書房は、1981年に設立された日本の出版社です。美術関連書や人文書を中心に、「言葉とイメージの融合、あるいはエロスの視覚化」という独自のテーマを掲げて出版活動を行っています。

同社は、特に伊藤博明や高山宏といった作家の著作・翻訳を多く刊行していることで知られています。高山宏の助言のもと、「プラーツとイタリア異美術史学の路線」を追求し、『マリオ・プラーツ芸術論』、『マリオ・プラーツ都市文化論』、『エンブレム原典叢書』などの叢書を出版しました。これらの書籍は、美術史や文化史の研究において重要な貢献を果たしています。

批評家の谷川渥は、ありな書房をはじめとする出版社から刊行された高山宏の翻訳書について、「どれだけ恩恵を受けたか知れない」と述べており、その影響力の大きさを指摘しています。また、同社から刊行された書籍の中には、優れた評価を受けたものも多く、山西龍郎の『音のアルカディア 角笛の鳴り響くところ』は1996年に第47回芸術選奨新人賞を、小澤京子の『都市の解剖学──建築／身体の剥離・斬首・腐爛』は2012年に第3回表象文化論学会賞を受賞しています。

ありな書房の出版活動は、美術、人文分野における学術的な研究を深めるだけでなく、読者に対して新たな視点や知識を提供しています。その活動は、出版業界において独自の存在感を示しており、今後も多様な分野の書籍を刊行することで、文化の発展に貢献していくことが期待されます。

ありな書房の公式サイトでは、刊行書籍の情報や企業情報などを確認することができます。

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