ある日どこかで

映画『ある日どこかで』について

『ある日どこかで』（原題: Somewhere in Time）は、1976年に発表されたリチャード・マシスンのSF小説を基にした映画で、1980年にはアメリカで公開されました。この作品は、SFとロマンスを巧みに融合させた物語であり、特に時間旅行というテーマを通じて、愛の普遍的な力を描いています。

映画の監督はヤノット・シュワルツ、主演にはクリストファー・リーヴとジェーン・シーモアが起用されました。『ある日どこかで』は、公開から40年以上経った今でもファンに愛され続け、不朽の名作として位置づけられています。特に日本では「午前十時の映画祭」にも選出され、多くの観客に親しまれています。

ストーリーの概要

1972年、ミルフィールド大学で脚本家志望のリチャード・コリアーは、彼の初作品が上演されたパーティーで一人の老女に出会います。この女性は不思議な言葉を残し、懐中時計を手渡して去っていきました。その老女は後に、彼女が生前に愛した女性エリーズ・マッケナを思い起こさせる存在であったことが明らかになります。8年後、成功した脚本家となったリチャードは、過去の思い出に引き寄せられるように、グランド・ホテルに宿泊します。

ホテル内の資料室で見つけたエリーズの写真に魅了され、リチャードは彼女の過去を調査し始めます。エリーズは1912年の有名な女優で、彼女がどのように生き、なぜ過去の時代に生きたのかを探るうちに、彼女との接触が運命的なものだと感じるようになります。情熱的な恋が描かれる中で、リチャードは時間旅行を試み、ついに1912年の世界に飛ぶことに成功します。

主要キャストとスタッフ

この映画のキャストには、リチャードを演じたクリストファー・リーヴの他に、エリーズ役のジェーン・シーモアが名を連ねています。プロデューサーのサイモンが原作に惚れ込み、監督のシュワルツに製作を提案し、そしてシュワルツが作品名を『Somewhere in Time』に決定することで、映画の方向性が定まりました。特に彼の演出手法は、物語の幻想的な要素を強調することに成功しています。

音楽と撮影

映画で使用される音楽は、元々の原作ではマーラーの作品が計画されていましたが、監督シュワルツの提案によりラフマニノフの楽曲に変更されました。物語のテーマに非常によくマッチし、観客の感情を揺さぶるものとなっています。

また、撮影には特別なフィルムが使用され、現在のシーンと過去のシーンで色彩の違いが意図的に演出されています。そのため、観客は視覚的にも異なる時代を感じ取ることができます。撮影のロケ地には、実在するマキノー島のグランドホテルが選ばれ、島特有の雰囲気が大いに活かされています。

評価と影響

公開当初、批評的には賛否が分かれましたが、映像メディア、特にケーブルテレビやビデオによって再評価を受け、多くのファンを魅了しました。映画を観たことによる新たなファン層も増え、特にリーヴのファンたちが本作に惹かれる結果となりました。現在では「Somewhere in Time Weekend」というイベントが毎年開催されるなど、その影響は色あせていません。

まとめ

『ある日どこかで』は、ただのSF映画ではなく、時空を超えた愛の物語として、多くの人々の心に残り続けています。リチャードとエリーズの禁断の恋は、見る者に感動と深い思索をもたらします。この作品は、今後もさらに研究がされ、愛され続けることでしょう。

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