午前十時の映画祭

「午前十時の映画祭」は、過去の名作映画を映画館で上映する企画です。当初はフィルム上映にこだわり、多くの映画ファンを魅了しました。後にデジタル上映に移行し、より多くの観客が名作に触れる機会を提供しています。

概要

この映画祭は、一般社団法人映画演劇文化協会が主催し、2010年2月6日から2011年1月21日にかけて第一回が開催されました。当初は「午前十時の映画祭何度見てもすごい50本」という名称で、週替わりで50本の外国映画を午前10時から上映するというスタイルでした。

上映作品は主に1950年代から1970年代の作品で、ニュープリントのフィルムを使用し、全国の劇場を巡回しました。原則として1日1回の上映でしたが、劇場や作品によっては複数回上映されることもありました。

その後、第二回、第三回と続き、2013年からはデジタル上映に移行し、「新・午前十時の映画祭」として新たな展開を見せました。

フィルム上映時代

第一回は2010年2月6日から2011年1月21日まで、全国25の劇場で開催され、第二回は2011年2月5日から2012年1月20日にかけて、第一回開催劇場の一部と新規劇場を含む計50劇場で開催されました。第二回では、上映作品を「Series1／赤の50本」と「Series2／青の50本」に分け、劇場によって異なる作品を上映しました。

第三回は2012年3月3日から2013年2月15日に開催され、第二回で「Series1」を上映した劇場で「Series2」の作品を上映しました。

しかし、映画館、特にシネマコンプレックスでのデジタル上映の普及に伴い、フィルム映写機の撤去が進んだため、フィルム上映が困難になり、第三回をもって一旦終了となりました。

デジタル上映時代

2013年からはデジタル上映に移行し、「新・午前十時の映画祭デジタルで甦る永遠の名作」として再スタートしました。デジタル上映になったことで、1作品の上映期間が2週間に延長され、上映作品数は25作品となりましたが、上映劇場数は42劇場に増加しました。上映作品は過去の上映作品と新たな作品が選ばれました。

その後も毎年開催されていましたが、2019年度に一旦終了が決定。しかし、新型コロナウイルスの影響で新作映画の公開が延期される中で、「午前十時の映画祭10+」として延長し、「午前十時の映画祭11」として2021年度も開催。2022年度は「午前十時の映画祭12」として継続されましたが、上映時間が午前10時とは限らなくなりました。

作品選定

上映作品は、一般投票の結果と選定委員の推薦を参考に、作品選定委員会が決定しました。第一回では、565作品が一般投票で挙げられ、その中からニュープリントで上映可能な50作品が選ばれました。選定委員には、映画評論家、映画パーソナリティ、映画字幕翻訳者、漫画家、脚本家・映画監督などが名を連ねました。

上映作品の変遷

第一回では、『2001年宇宙の旅』や『バベットの晩餐会』など権利関係で第二回で上映できない作品がありましたが、代わりに『ジュリア』や『ストリート・オブ・ファイヤー』が上映されました。また、一般投票で上位だった『サウンド・オブ・ミュージック』や『風と共に去りぬ』などは、プリント調達の問題で一度は上映が見送られましたが、第二回で上映されました。

第二回では、『ひまわり』や『ミツバチのささやき』が上映作品として発表されたものの、権利問題やプリント制作の遅延で上映できなくなり、それぞれ『昼顔』や『山猫イタリア語・完全復元版』が代替作品として上映されました。

上映劇場

フィルム上映時代には、福島県、山梨県、鳥取県、山口県、徳島県、香川県の6県では上映館がありませんでした。これらの県では、デジタル上映に移行した後も上映館がありませんでした。

東日本大震災の影響

第二回の開催期間中に東日本大震災が発生し、一部劇場で上映が一時休止となりました。被害の大きかった地域の劇場や、電力危機、物流への影響などで上映できない状況がありましたが、多くは4月16日までに上映を再開しました。

料金

「午前十時の映画祭10」までは、大人1000円、学生・子供500円の均一料金でしたが、「午前十時の映画祭11」からは劇場によって料金が異なるようになりました。

観客動員・興行収入

第一回は観客動員数58万6786人、興行収入5億6756万2200円、第二回は観客動員数86万3310人、興行収入8億3722万6900円、第三回は観客動員数34万9885人、興行収入3億3902万4100円を記録しました。

第三回の観客動員数上位作品は、『風と共に去りぬ』、『サウンド・オブ・ミュージック』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『荒野の七人』、『素晴らしき哉、人生!』でした。

その他

神保町シアターでは、「午前十時の映画祭」の上映作品の中から16作品を選んで上映した企画も開催されました。

外部リンク

公式サイトや映画演劇文化協会の公式サイトで詳細な情報が確認できます。

午前十時の映画祭　何度見てもすごい50本 - 第一回公式サイト
第二回午前十時の映画祭　何度見てもすごい50本 - 第二回公式サイト
第三回午前十時の映画祭　何度見てもすごい50本 - 第三回公式サイト
新・午前十時の映画祭デジタルで甦る永遠の名作 - 新 (第四回) 公式サイト
第二回新・午前十時の映画祭デジタルで甦る永遠の名作 - 新 (第五回) 公式サイト
第三回新・午前十時の映画祭デジタルで甦る永遠の名作 - 新 (第六回) 公式サイト
午前十時の映画祭7 デジタルで甦る永遠の名作 - 第七回公式サイト
午前十時の映画祭8 デジタルで甦る永遠の名作 - 第八回公式サイト
午前十時の映画祭9 デジタルで甦る永遠の名作 - 第九回公式サイト
午前十時の映画祭10 デジタルで甦る永遠の名作 - 第十回公式サイト
午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作 - 第十一回公式サイト
一般社団法人映画演劇文化協会
午前十時の映画祭　何度見てもすごい５０本　－映画演劇文化協会
第二回午前十時の映画祭　何度見てもすごい５０本　－映画演劇文化協会
第三回午前十時の映画祭　何度見てもすごい５０本　－映画演劇文化協会
新・午前十時の映画祭　－映画演劇文化協会
第二回新・午前十時の映画祭　－デジタルで蘇る永遠の名作－　－映画演劇文化協会
第三回新・午前十時の映画祭　－デジタルで蘇る永遠の名作－　－映画演劇文化協会
* 午前十時の映画祭 (@asa10eiga) - X（旧Twitter）

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