いか天 ザ・50

『いか天ザ・50』：伝説のイカ天バンドの楽曲を網羅したコンピレーションアルバム

1998年6月21日、バンダイ・ミュージックエンタテインメントより発売された『いか天ザ・50』は、1989年から1990年にかけて放送され一世を風靡したテレビ番組『三宅裕司のいかすバンド天国』（通称：イカ天）出身のバンドによる楽曲を収録したコンピレーションアルバムです。

このアルバムは、番組を彩った数々のバンドの中から厳選された楽曲が収録されており、番組で放送された音源がそのまま収録されている楽曲も含まれています。懐かしの演奏を聴きたいファンにとって、まさに垂涎の一品です。

『いか天ザ・50』は全3巻構成となっており、Vol.1、Vol.2、Vol.3の3枚が同日にリリースされました。各巻の定価は2,300円（税込）でした。ジャケットには、番組の象徴的なイカのマークが大きくデザインされており、当時を知る者にはノスタルジックな感情を呼び起こすことでしょう。

ブックレットには、収録曲と各バンドのメンバー紹介が掲載されています。ただし、掲載されているメンバーはイカ天出演時のメンバーであり、後にメジャーデビューした際のメンバーとは異なる場合がある点に注意が必要です。歌詞は掲載されていませんが、楽曲名を見るだけでも当時の興奮が蘇ってくることでしょう。

収録されている楽曲は、番組で話題を呼んだ個性豊かなバンドによるものです。JITTERIN'JINN、たま、FLYING KIDSといった、後にメジャーシーンで活躍するバンドの初期の楽曲を聴くことができる貴重な機会でもあります。また、番組で話題となった、独特のキャラクターを持ったバンドの楽曲も収録されています。

興味深い点として、一部の楽曲には編集による「ピー」音が入っている箇所があります。Vol.1の9曲目『カリフォルニアの青い××』（原題は『カリフォルニアの青いバカ』）、Vol.2の5曲目『チカンに会いたい』、そしてVol.3の8曲目『Never Be』です。これらの楽曲は、放送当時から話題を呼んでおり、アルバムにおいてもその個性が際立っています。

このアルバムは、単なる楽曲集ではなく、一つの時代の空気感、そしてイカ天という番組が生み出したカルチャーを凝縮したような作品です。番組をリアルタイムで見ていた世代はもちろんのこと、イカ天を知らない世代にとっても、日本の音楽史における重要な一端を垣間見ることができる、貴重な資料と言えるでしょう。

収録バンドの多様性、そしてそれぞれの楽曲の個性は、聴く者の心に様々な感情を呼び起こすことでしょう。懐かしさ、興奮、そして新たな発見。様々な感情が入り混じった、忘れられない音楽体験がそこにはあります。

以下に、各巻の収録楽曲の一部を挙げます。

Vol.1
二枚でどうだ!／宮尾すすむと日本の社長
エブリディ／JITTERIN'JINN
カリフォルニアの青い××／大島渚 (バンド)
我思うゆえに我あり／FLYING KIDS

Vol.2
あさねぼう／グレイトリッチーズ
チカンに会いたい／たちくらみ
さよなら人類／たま
恋しくて／BEGIN

Vol.3
No Pains No Gains／NORMA JEAN
りんごの泪／人間椅子
Never Be／remote
バラが好き／マルコシアス・バンプ

これらの楽曲以外にも、多くの名曲が収録されており、聴き応えのある内容となっています。当時を知る方々にとっては、青春時代の思い出が蘇る、まさにタイムカプセルのようなアルバムと言えるでしょう。

なお、Vol.2の7曲目『砂場』のボーカルを務めた濱田マリ氏、Vol.3の9曲目の作詞を担当した大槻ケンヂ氏など、著名なアーティストも関わっている点も特筆すべきでしょう。

『いか天ザ・50』は、日本の音楽シーンにおける重要な作品の一つであり、多くの音楽ファンにとって、これからも大切にされていくことでしょう。

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