いじわる看護婦

いじわる看護婦

『いじわる看護婦』は、著者である長谷川町子によって創作された人気の4コマ漫画です。この作品は、1965年に『文芸春秋漫画読本』の特別号に初めて掲載され、後に『いじわるばあさん』第3巻の巻末に収められました。姉妹社がその後廃業した際には、朝日新聞社から復刻された版にも収録されており、特に漫画の2色刷りが復元されている点が注目されています。

概要

この作品は、同作者の有名な作品である『いじわるばあさん』を踏襲した内容で、全7本の4コマから構成されています。物語の舞台はとある病院で、主人公である看護婦が様々な意地悪をすることで、医師や患者たちを翻弄します。ただし、具体的なキャラクター名や病院名は作品内では明示されません。

看護婦である千本さくらは、医師や同僚たちに対してユーモラスなトラブルを引き起こしており、作品の中で展開される騒動はドタバタ劇そのもの。患者のお小水をビールにすり替えたり、レントゲン用の骨格標本と密会写真を模したりと、さくらの意地悪は多彩です。

テレビドラマ化

1982年にはフジテレビでこの漫画を原作としたテレビドラマが放送され、主演には中原理恵が起用されました。このドラマは8回にわたって放送され、後に1984年には長谷川町子の他作品『サザエさん』や『意地悪ばあさん』とのクロスオーバー特番が制作されるほどの人気を得ました。

1985年には新シリーズとして三原じゅん子が主演になり、『新・いじわる看護婦』として放送が続けられましたが、こちらは2本目で終了しています。コメディ要素の強いこのドラマは、登場人物たちの個性的でユーモラスなやりとりが視聴者に愛されました。

登場人物

千本さくら

この作品の主人公である千本さくらは、若手看護婦として徳川総合病院に勤務しています。彼女はその意地悪な性格で知られ、周囲の人々に楽しんで意地悪を仕掛けることが大好き。ドラマ第6作目では、北海道に旅立ち、一度病院を辞めるものの、後に復帰します。また、新シリーズでは再建を目指して奮闘するストーリーが展開されます。

影響と特徴

『いじわる看護婦』は、単なるコメディにとどまらず、人間の表情や生活の一こまを切り取った魅力的なストーリーを展開しています。その独特なキャラクター設定や意地悪な行動は、視聴者に笑いを提供し、日常生活の中で忘れることのできないコミカルな瞬間を描き出しています。長谷川町子作品ならではのユニークなキャラクターと物語の展開が、今なお多くの人に愛されています。

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