姉妹社

姉妹社について

姉妹社（しまいしゃ）は、日本においてかつて存在した出版社で、特に漫画家・長谷川町子の作品を専門に取り扱っていました。代表作の『サザエさん』をはじめとする長谷川の漫画は、幅広い人気を博しており、姉妹社ではこれらの著作権管理も行っていました。姉妹社の本社は東京都世田谷区桜新町に位置していました。

設立の背景

姉妹社の設立には、長谷川町子の家族の強力なサポートがありました。町子は父親の死後、家族で上京し、田河水泡のもとで漫画家として活動を始めました。1946年4月には福岡市で『サザエさん』の連載を開始し、その後東京に移ることになります。母親の貞子が「サザエさん」の単行本出版を提案し、家の売却費を資金に充てることにしました。これをきっかけに彼女は姉妹社を設立し、1947年1月1日には『サザエさん』単行本の第1巻を発刊しました。

出版の軌跡

初版の『サザエさん』はB5判の横綴じ形式でしたが、書店の都合から早々に返本されてしまいました。しかし、第二巻以降はB6判にサイズを変更すると爆発的な売り上げを記録し、初版の第1巻もその後B6判として再出版されました。これにより、全68巻にわたる『サザエさん』シリーズが展開され、他の長谷川町子作品もB6判で出版されるようになりました。

姉妹社が注目を集める中、大手出版社からは販促や装丁のノウハウを伝授したいとの打診もありましたが、自社出版を続ける方針が採られました。この傾向は、長谷川町子自身が将来の作品について特に意識していなかったことからも生じたもので、姉の毬子は姉妹社で出版を続ける方が良いと判断しました。

会社の終焉

町子が1992年に亡くなった後、1993年には姉妹社は解散することが決まりました。会社の閉鎖に伴い、発行されたすべての本は絶版となり、長谷川町子の作品の著作権管理は長谷川町子美術館に移管されました。この変更により、アニメ版『サザエさん』のコピーライト表記も更新され、著作権管理が美術館に引き継がれることになりました。

シンボルマークとその意味

姉妹社のシンボルマークは、「SSS」と記された木板で、これは彼女たち三姉妹（長谷川町子、毬子、洋子）を表しています。また、単行本の裏表紙には「社」の字が部首として「示」が用いられたデザインが施されていました。

出版された作品

姉妹社が発行した全ての作品は、長谷川町子の著作であり、多くは廃業後に朝日新聞社から再発行されています。主な作品は以下の通りです。

• - サザエさん
• - よりぬきサザエさん
• - いじわるばあさん
• - サザエさんうちあけ話
• - 町子かぶき迷作集
• - など

関連項目

姉妹社の跡地には長谷川町子美術館が建設され、町子や毬子姉妹の業績が展示されています。また、NHKの連続テレビ小説『マー姉ちゃん』では、「サザエさん」の第1巻出版のエピソードが取り上げられるなど、町子の作品は今でも多くの人々に愛され続けています。

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