いすみ鉄道いすみ300型気動車

いすみ鉄道いすみ300型気動車

いすみ鉄道の普通列車用気動車であるいすみ300型は、老朽化したいすみ200型の後継車両として2012年に導入されました。開業当初からこの車両が使われてきたいすみ200型は、時の流れの中でその役割を終え、新しい気動車が登場する運びとなりました。

概要

いすみ300型は、いすみ鉄道の社長がブログで公表した車両イメージ図に基づいて製作されました。本格的な運用は2012年3月28日に開始され、その後、4月1日から定期列車としても運行を開始しました。この気動車は新潟トランシスが製造した軽快気動車の典型で、貫通型の両運転台を持つデザインが特徴です。前照灯と尾灯は左右の前面窓の上部に一体化されて配置されており、見た目にも機能的です。

車内の特徴

車内は昭和の懐かしさを感じさせるようなデザインが施されており、紺色のモケットが特徴的です。また、下段上昇式に開く窓が設計され、自然な風を感じることができます。さらに、バリアフリー対応の洋式トイレも備えており、全ての利用者に配慮した設計がなされています。座席配置は観光列車としての運用に配慮したクロスシートが採用されており、特に「ムーミン列車」として知られる特別列車でも利用されています。

キハ20形との関連

いすみ300型と同時期に導入されたキハ20形は、総勢3両が2014年度までに導入される予定でしたが、最後の1両は2015年6月22日に搬入されました。この車両は、いすみ300型と同様にクロスシートとトイレを備えています。外観は国鉄キハ20系気動車を模した形状で、クリーム4号と朱色4号の塗り分けが施されています。このような外観は、国鉄時代を彷彿させるものとなっており、鉄道ファンにとっても愛着のあるデザインです。形式名はモデルとなった国鉄キハ20形を尊重し、いすみ300形の続番ではなく、1000番台として「キハ20 1303」と呼ばれています。

終わりに

いすみ鉄道のいすみ300型気動車は、ただの輸送手段ではなく、訪れる人々に特別な体験を提供する役割を果たしています。昭和の雰囲気を大切にしつつ、現代的な快適さも兼ね備えたこの気動車。地域の観光振興にも寄与しており、今後の運用に期待が寄せられています。

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