国鉄キハ20系気動車

国鉄キハ20系気動車

国鉄キハ20系気動車は、日本国有鉄道（国鉄）が1957年に導入した一般形気動車群です。この系譜は、1,126両が1966年まで製造され、日本国内の様々な鉄道路線で広く使用されました。この車両群は、当時の乗り心地の改善を目指し、様々な設計がなされ、気動車の設計に新たな技術と思想をもたらしました。

開発の背景

1950年代中期、国鉄では既存の普通列車用気動車において居住性や乗り心地の改善が求められていました。そのため、国鉄は新たな気動車の開発を決定。10系軽量客車の技術が応用され、軽量化が実現し、より大きな車体を持つ気動車の設計が可能となりました。この流れを受け、キハ20系の開発が進められたのです。

形式の種類

形式一覧

• - キハ20形: 本系列の基本形式で409両が製造、両運転台と便所を備えています。
• - キハ21形: 寒地向けに設計されたもので84両製造され、雪に強い設計です。
• - キハ22形: 極寒地仕様の完全新設計、耐雪・耐寒性を強化。
• - キハ52形: 勾配区間用の2基エンジン車両で、急勾配の区間で重用されました。

構造と機能

キハ20系は、先行するキハ55形の設計を継承しつつ、準張殻構造を採用し、大型化された車体を持っています。居住性の確保に力を入れ、乗客用ドアを中央寄りに配置し、ラッシュ時の使いやすさを考慮しています。また、座席は広く、客室もゆとりのある設計で、これにより利用者からの評価も高まりました。

技術革新

初期型はDMH17B形ディーゼルエンジンを搭載し、170ps仕様に改良されました。さらに、増備車においては180psのエンジンに変更され、車両性能が向上しました。また、1970年代には前照灯のシールドビーム化や、台車の交換が行われ、より安全で快適な運行が可能となりました。

塗色と外観

1959年以降、キハ20系は新たに朱色とクリームの2色塗装に変更され、前年までの青系統からの転換が図られました。これにより、車両のイメージ刷新が図られており、その外観は多くの鉄道ファンに親しまれることとなりました。

運用と役割

キハ20系は全国各地で普通列車として運行される傍ら、多くの優等列車にも使用され、特急や急行列車の一部としても重宝されました。特に、北海道や東北地方においては多くの運用がなされ、急行列車への使用も盛んでした。JR化後もキハ22形、キハ52形は一部の路線で長く運用され続け、国鉄時代の名車としてその名を残しました。

終焉と後の活用

2010年には、大糸線での運用が終了し、これをもってキハ20系の運用が終了しました。その後、一部のキハ52形がフィリピンなどに輸出されたり、国内での保存車両としての存在が確認されています。また、近年では一部車両が観光用などに転用されるなど、新たな形で本シリーズの特徴が生かされる場面も見られます。

まとめ

国鉄キハ20系気動車は、その技術革新とデザインの向上により、多大な影響を与えた車両でした。日本の鉄道史におけるこの名車の物語は、今なお多くのファンの心に残っています。

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