いせや総本店

吉祥寺の老舗「いせや総本店」

「いせや総本店」は、1928年（昭和3年）に精肉店として創業した、東京・吉祥寺を代表する老舗です。その後、1958年に焼き鳥店へと業態を転換し、現在に至るまで、地元の人々や多くのファンに愛され続けています。

創業から現在まで

創業当初は精肉店として営業していましたが、1953年に2階建ての店舗に改築し、1階で精肉店、2階ですき焼き屋を始めました。1958年からは焼き鳥店に転換し、手頃な価格で美味しい焼き鳥を提供することで人気を博しました。焼き鳥は一本80円という低価格で、お酒と共に楽しんでも1,000円程度で済む、庶民的な価格設定が魅力です。その人気は雑誌やテレビ番組でも度々取り上げられ、多くの著名人にもファンがいます。フォークシンガーの高田渡さんは常連客として知られ、俳優の渡辺哲さんも同店のファンであることを公言しています。焼き鳥だけでなく、豚のカシラ、シロ、タン、ハツ、レバーなどのもつ焼きも人気で、売上比率も高いのが特徴です。

2008年5月には、老朽化のため建て替えられた現在の総本店がオープンしました。14階建てのビルの1・2階には、旧店舗の建物を忠実に再現した店舗が入り、地下1階には、いせや直営の国産和牛のすき焼き・しゃぶしゃぶ専門店『肉（すきやき）いせや』もオープンしました。

店舗情報

現在、いせや総本店は、吉祥寺駅南口の総本店の他、井の頭公園入口にいせや公園店、吉祥寺駅北口に北口店があります。

いせや総本店
住所：東京都武蔵野市御殿山1-2-1 いせやビル1・2階
座席数：120席（テーブル席、カウンター席、座敷席）
肉（すきやき）いせや
住所：東京都武蔵野市御殿山1-2-1 いせやビル地下1階
いせや総本店 公園店
住所：武蔵野市吉祥寺南町1-15-8
座席数：350席（テーブル席、カウンター席、座敷席）
いせや総本店 北口店
住所：武蔵野市吉祥寺本町1-20-3 吉祥寺パーキングプラザ地下1階

各店舗の特徴

総本店
旧店舗を忠実に再現した外観が特徴で、昔ながらの雰囲気を残しています。
公園店
井の頭恩賜公園の入口に位置し、本店よりも多い350席を備えています。2013年9月にリニューアルオープンした、いせやの中で最も新しい店舗です。
旧店舗は老朽化と東日本大震災の影響で改築されましたが、その際、解体された廃材を使って現代美術活動家の加藤翼氏がアート作品を制作したことも話題になりました。
北口店
吉祥寺パーキングプラザの地下1階に位置し、総本店の仮店舗として営業していた「北口店」とは異なり、正式な店舗として営業しています。店内には旧公園店の写真パネルが飾られています。

メディアでの紹介

いせやは、その知名度の高さから、映画や漫画にも度々登場しています。

映画
『タカダワタル的ゼロ』：高田渡さんのドキュメンタリー映画で、旧総本店の解体シーンが描かれています。
『転々』：旧公園店がロケ地として使用され、主人公が立ち寄るシーンがあります。
漫画
『GTO』：吉祥寺を舞台にした学園漫画で、主人公の鬼塚英吉が同店のファンとして頻繁に訪れる場面が描かれています。メニューにはない砂肝が好きという設定です。
『クッキングパパ』：登場人物が井の頭公園に行った後、いせやの支店に立ち寄るエピソードがあります。
テレビ番組
* 『吉田類の酒場放浪記』：2003年放送の第1回で、吉田類さんが旧総本店を訪れています。オープニング映像にも旧総本店の映像が使用されています。また、スピンオフ番組『おんな酒場放浪記』でも、改装後の総本店が紹介されました。

まとめ

「いせや総本店」は、創業から90年以上もの間、吉祥寺の人々に愛され続けている老舗です。焼き鳥やもつ焼きを手頃な価格で楽しめるだけでなく、その歴史と趣のある佇まいは、多くの人々を魅了しています。吉祥寺を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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