いたずら天使

いたずら天使（The Flying Nun）

『いたずら天使』は、テレ・リオスが執筆した『The Fifteenth Pelican』を原作として、1965年に放送されたアメリカのコメディシットコムです。制作はスクリーン ジェムズが手がけ、ABCで1967年9月7日から1970年4月3日まで全82エピソードが放送されました。主演はサリー・フィールドが務め、彼女の演じる修道女シスター・バートリルのユニークで楽しい冒険が描かれています。

物語の舞台とキャラクター

物語はプエルトリコのサンフアンに位置するサンタンコ修道院が舞台です。修道院には色々な個性を持った修道女たちが生活しており、その中でも特に目立つのが、空を飛ぶ能力を持つ見習い修道女、シスター・バートリルです。彼女は本名エルシー・エスリントン、シカゴ出身で、医療従事者の家族の中で育ちながらも、伝道に情熱を持つおばの影響で修道女という道を選びました。

シスター・バートリルは、海上の絶壁にある修道院で、強風を利用して空を飛ぶことができることを発見します。この飛行能力は、彼女の体重が軽いことや、特製の翼状の修道女帽子によるもので、風の強い背景がその能力を引き立てます。ただし、彼女でも雨や嵐の中では飛ぶことができなかったり、帽子が損傷してしまうと能力が失われてしまうこともあります。

このような設定の中で、シスター・バートリルがさまざまな騒動を巻き起こしたり、また自らの飛行能力を使って問題を解決していく様子がコミカルに描かれています。

キャストと制作背景

主なキャストとして、シスター・バートリル役のサリー・フィールド、そして修道院長役にマデリーン・シャーウッド、シスター・ジャクリーン役のマージ・レッドモンドなどがいます。シスター・ジャクリーンは物語の語り手でもあり、話を盛り上げる役割を担っています。

制作にあたっては、シチュエーション・コメディというジャンルの中で、宗教界からの反応を懸念する声もありました。それに対処するため、制作側は教会との相談のもとで企画を進めました。シスター・バートリルが「正式に誓いを立てる前の見習い修道女」という設定に変更されるなどの配慮が行われましたが、結果的には番組は好意的に受け入れられました。

放送と評価

『いたずら天使』は、当初高視聴率を記録したものの、次第に視聴者が減少していきました。第1シーズンと第2シーズンは木曜日の夜に放送されていましたが、最終的には視聴率が裏番組を下回ることが多くなり、第三シーズンで打ち切りとなりました。特にフィールドが妊娠していた際には、撮影の円滑さが求められ、様々な工夫が必要となりました。

受賞歴とレガシー

批評家からはあまり高く評価されなかった『いたずら天使』ですが、俳優マージ・レッドモンドはエミー賞にノミネートされた実績があります。また、番組は日本でも放送され、多くのファンに愛されました。

今日ではDVD化もされており、一連の書籍とも関連した作品として当時の雰囲気を楽しむことができます。『いたずら天使』はそのユニークなキャラクターとストーリーで、一世代の人々の記憶に残る作品となりました。

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