いつも通り

シュガー・ベイブ「いつも通り」：楽曲解説

1975年4月25日にリリースされたシュガー・ベイブのシングル「DOWN TOWN」のカップリング曲として収録された「いつも通り」。作詞・作曲は大貫妙子による、同バンドを代表する楽曲の一つです。この曲は、後にリリースされたアルバム『SONGS』にも収録されており、シングルバージョンとアルバムバージョンで音質に違いはありません。

山下達郎の回顧によれば、この曲が制作された当時、シュガー・ベイブはバンドメンバーが落ち着き、ライブ活動も軌道に乗り始めた頃だったと言われています。音楽的な影響としては、シリータ・ライト（Syreeta Wright）からのインスピレーションが強く感じられると語られています。

「いつも通り」は、後に『SONGS』のオリジナル・マスターによるCD化を記念して行われた『山下達郎 Sings SUGAR BABE』において、大貫妙子がゲストボーカルとして参加し、再び披露されました。さらに、大貫妙子のライブアルバム『LIVE '93 Shooting Star in the Blue Sky』にもボーナス・トラックとして収録され、幅広いリスナーに親しまれています。

特筆すべき点として、山下達郎はこの曲で初めてストリングスアレンジに挑戦しました。その出来栄えは、音楽家である坂本龍一氏からも高く評価されたとのことです。弦楽器セクションの繊細かつ美しい旋律は、楽曲全体に奥行きと情感を与え、聴く者の心を掴んで離しません。

レコーディングメンバー

楽曲の完成度を支えたのは、個性豊かなミュージシャンたちです。以下に、レコーディングに参加したメンバーと担当楽器を記します。

上原裕：ドラムス、コンガ
鰐川己久男：ベース
村松邦男：エレクトリックギター（レフト＆センターオブリガート）
大貫妙子：リードボーカル、アコースティックピアノ
山下達郎：エレクトリックギター（センターカッティング）、ヴァイブ、グロッケン
稲垣次郎：テナーサックスソロ
* 玉野グループ：ストリングス

カバー、テレビ放送など

「いつも通り」は、長年に渡り多くのアーティストに愛され、カバーされるなど、現在もなおその魅力を放ち続けています。

例えば、大貫妙子と一十三十一によるカバーは、2005年5月26日にNHKデジタルBSハイビジョンで放送された番組『音楽・夢くらぶ』で披露されました。これは、シュガー・ベイブの楽曲が新たな解釈で再評価された一つの例と言えるでしょう。

このように、「いつも通り」は、シュガー・ベイブの音楽史において重要な位置を占める楽曲であり、時代を超えて聴き継がれる名曲として、その輝きを失うことはありません。その魅力は、洗練されたメロディー、繊細なストリングスアレンジ、そして大貫妙子の唯一無二の歌声によって生み出された、他に類を見ない独特の雰囲気にあると言えるでしょう。 楽曲誕生から現在に至るまで、多くの音楽ファンを魅了し続けています。

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