いとしのエリー (漫画)

『いとしのエリー』概要

『いとしのエリー』は、1983年から1987年まで週刊ヤングジャンプに連載されていた高見まこによる日本の漫画作品であり、その後映画化もされました。本作は、新任の女教師・串田と東京都立高校に通う普通の高校生・上野の恋愛模様を描いています。連載時代の背景には、一般的にはタブー視されている未成年者の喫煙や飲酒、生徒と教師の恋愛、さらには露骨な性描写があり、作品は多くの議論を呼びました。それでも多くの読者に支持され、高見まこの代表作としての地位を確立しました。

物語

物語は、高校1年生の夏休みから始まり、上野と串田が鎌倉の海岸で出会うところから展開します。最初はコミカルな描写が多かったものの、串田が上野に対して持つ関心と、彼自身の恋敵との関係が絡み合うことで、次第に恋愛ドラマへと進展していきます。物語は学校行事を通じて進行し、五山送り火やスキーなど、実際の季節に即したイベントが描かれます。最終回は卒業式での出来事で幕を閉じ、読者に感動を与えました。

登場人物

串田枝理子

上野の7歳年上の新任英語教師で、美人かつ有能。彼女は上野との出会いを遊びとして割り切っていたが、次第に一途な彼の思いに惹かれていきます。とはいえ、彼女自身が疲れ果ててしまう側面もあり、恋愛の複雑さが描かれています。

上野晋平

物語の主人公で、高校生。串田に強く惹かれ、さまざまな問題を抱えながらも彼女にアプローチを続けます。しかし、彼の甘えた言動が二人の関係を困難にさせ、自らを追い込む結果に繋がります。

真名古敬一

上野の担任であり、串田の大学時代の同級生。彼もまた上野に興味を持ち、彼との関係を阻もうとします。

清水文太郎、隣野美代子、今泉今日子

上野の友人や恋愛相手たち。彼らもまた物語において重要な役割を果たし、上野と串田との関係に影響を与えます。

時代背景

物語の設定は昭和後期で、当時の社会情勢や文化が色濃く反映されています。0系新幹線やファミリーコンピュータ、またダイヤル式の電話機が登場し、当時の生活様式や恋愛模様が描写されています。これにより、読者は懐かしさを感じるとともに、作品のリアリティを高めています。

映画版

『いとしのエリー』は1987年に映画化されました。主演には国生さゆりが起用され、原作とは異なる設定や展開が加えられました。しかし、映画は原作の独自の魅力を失うこととなり、結果的には興行的に不振に終わっています。通常では考えられない教師と生徒の恋愛は、映画化に際しトレンディドラマとしての展開を余儀なくされ、原作ファンからは評価が分かれる結果となりました。

結論

『いとしのエリー』は、恋愛漫画としての枠を超えて、様々な社会的問題を扱いながら進展する作品です。高見まこの独特の視点や描写は、今なお多くの人々に記憶され続けています。また、漫画としてだけでなく映画としても展開されたことで、より多くの人にその魅力が伝わることになりました。

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