いとしのエリー

「いとしのエリー」の概要

「いとしのエリー」は、1979年にサザンオールスターズがリリースした楽曲で、彼らの3枚目のシングルです。この作品は、最初のシングル「勝手にシンドバッド」や2枚目の「気分しだいで責めないで」とは異なり、バラードとして発表された初めてのシングルとなりました。

リリースの背景

1979年3月25日に7インチレコードとして発売され、その後も様々な形で再リリースされています。1998年には8cmCDとして、2005年には12cmCDとして、さらには2014年からはダウンロード配信、2019年からはストリーミングで楽しめるようになりました。初期のサザンオールスターズは、「陽気さ」が特徴であり、コミカルでエッチな楽曲が多かったのですが、桑田佳祐はそのイメージに満足していなかったとされます。

特に、「いとしのエリー」は、デビューからの変化を象徴する曲となり、その制作過程には多くの葛藤が存在しました。桑田が即興でギターを弾きながら「エリー・マイ・ラブ」と口にしたことが、この楽曲の出発点でした。しかし、レコード会社からは当時の方向性に反するのではないかという反対意見が出ていました。そんな中、アミューズの社長である大里洋吉の「冒険してみよう」という言葉がきっかけとなり、最終的にリリースが決まったのです。

多様な評価と影響

「いとしのエリー」は、1997年に放送されたTBS系ドラマ『ふぞろいの林檎たち』の主題歌に起用され、特例の再発売が行われました。この曲の再発売は、サザンオールスターズの代表作としての位置を確立するものとなり、結果として彼らのスーパースターの座を固めることとなりました。

樋口毅宏といった作家からも評価され、多くのファンがその魅力を語り継いでいます。リリース後も、ランキングでの成績は芳しく、オリコンでの累計売上は72.8万枚（オリコン調べ）を記録しました。特にオリコントップ10にも長期間ランクインし、著作権使用料のランキングでも高評価を得ています。

楽曲の特性と収録内容

本楽曲は、桑田佳祐が作詞・作曲を手掛け、サザンオールスターズによって編曲されています。曲は4分23秒のバラードで、桑田本人の実姉や敬愛するエリック・クラプトンへの想いが込められているという説も存在します。しかし、桑田自身は「エリー」の響きを大事にしたと語っています。

サザンオールスターズの初の紅白歌合戦登場曲としても知られており、様々なアーティストによるカバーも行われています。特に、1990年代のレイ・チャールズによる英語詞のカバーや、多くの日本のアーティストによる多様なアプローチが話題となりました。

終わりに

サザンオールスターズの「いとしのエリー」は、ただのヒット曲ではなく、彼らの音楽史に重要な足跡を残した作品です。バラードの持つ重みとその独自性が、多くの人々に愛され続ける理由と言えます。今後もこの名曲が、多くの世代にわたって歌い継がれることでしょう。

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