いなくなれ、群青

書籍『いなくなれ、群青』

『いなくなれ、群青』は、日本の作家河野裕による小説で、不思議な孤島「階段島」を舞台に繰り広げられる青春ミステリーです。2014年9月に新潮文庫nexから刊行され、シリーズの第1作目として位置付けられています。この作品では、主人公である男子高校生・七草と、彼の幼馴染である真辺由宇との意外な再会が物語の中心となります。タイトルは、物語内の一節から取られています。

あらすじ

物語は、捨てられた人々が行き着く階段島で展開され、七草はそこで真辺由宇と再会します。この再会をきっかけに、彼らの過去や感情が徐々に明らかになり、物語が進行します。孤島という設定は、登場人物たちの内面的な葛藤や青春の闇を現す一方で、彼らの絆を再確認させます。これはただのミステリーではなく、恋愛や友情、さらには自己探求をテーマとした感情豊かなストーリーです。

登場人物

作品には多くの魅力的なキャラクターが登場し、それぞれが深いストーリーを持っています。七草と真辺由宇の他にも、彼らの周囲の人物たちが物語に影響を与え、彼らの成長を促します。

評価

本作は、書評家の大森望からは「いまどき珍しいほどまっすぐな、胸に迫るラブストーリー」と評されており、特に若い読者にとって心に残る作品であると言われています。2015年には、第8回大学読書人大賞を受賞し、また「SUGOI JAPAN award 2016」のエンタメ小説部門で第2位となっています。これらの評価は、作品の深いテーマと感情の表現に根ざしています。

書誌情報

本作は新潮社から出版されており、表紙には英語タイトル「go away, ultramarine」が記されています。文庫本としての形態であり、シリーズ名や巻数の表記はされていません。2013年には仮タイトル「階段島ダストボックス」として構想がありました。

• - 『いなくなれ、群青』 2014年9月1日発行（ISBN 978-4-10-180004-2）

漫画版と演劇版

この作品は漫画版および演劇版も展開されており、2016年には演劇版が上演されました。宮崎翔太や中山絵梨奈が出演し、若手演出家の加藤拓也による脚本・演出で制作されました。また、2018年と2019年にはそれぞれ異なる作画家による漫画版の連載も開始されており、新たな解釈が加えられています。

映画版

さらに、2019年には実写映画版も公開され、監督は柳明菜、主演は横浜流星が務めました。映画は静岡県賀茂郡で撮影され、豪華なキャスト陣が描く深い感情が観る者を惹きつけました。音楽にはSalyuによる主題歌が用意され、視覚だけでなく聴覚でも楽しませてくれる作品になっています。

まとめ

『いなくなれ、群青』は、ただの青春ミステリーを超えて、愛と再会、そして自己の成長を深く掘り下げた作品として、多くのファンを魅了しています。にぎやかな青年たちのドラマを通じて、誰もが心の奥深くで共鳴する感情を呼び起こす力を持っています。

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