い・け・な・いルージュマジック

い・け・な・いルージュマジック：忌野清志郎と坂本龍一の共演

概要

『い・け・な・いルージュマジック』は、日本の音楽シーンを代表する忌野清志郎と坂本龍一によるコラボレーションシングルです。この曲は、忌野の実質的なソロデビュー作としても知られており、1982年2月14日にロンドンレコードからリリースされました。このシングルは、発売からわずか2ヶ月で50万枚の売上を達成し、当時のキャンペーンソングとして資生堂によって広く使用されました。

制作の背景

この楽曲の制作は、資生堂の宣伝部門からの依頼がきっかけでした。プロデューサーの牧村憲一が「坂本と忌野がコラボするのは面白い」と提案したことに始まりました。坂本はすぐに承諾しましたが、忌野との交渉が難航すると思われました。しかし、両者の事務所間での調整を経て、最終的には制作が決定しました。坂本は以前から忌野と音楽を共作したいと考えており、1981年にはカラオケテープを送ったこともありますが、その時はスケジュールの都合で実現しなかった経緯があります。

当初、資生堂が提案した仮タイトルは「すてきなルージュマジック」でしたが、坂本と忌野は独断で「い・け・な・いルージュマジック」に変更しました。この変更には、資生堂の専務を説得するのに多くの苦労があったと言われています。また、歌詞には視聴者を引き込むための工夫が施され、「ベイベー、オー、ベイベー」といったフレーズが加えられました。

録音と参加ミュージシャン

このシングルの録音では、ギターにRCサクセションの仲井戸麗市（別名：井戸端矮鶏）が参加しました。仲井戸の参加は忌野の要請によるもので、ドラムは坂本が演奏しましたが、テレビの出演時には鈴木さえ子がドラムを担当することもありました。これにより、異なるパフォーマンスでの展開が見られました。

リリースと再リリース

1982年にリリースされたこのシングルは、ロンドンレコードの初の邦楽シングルとして記録されました。1992年にはポリドールから8センチCDやカセットテープとして再リリースされ、その際にはカラオケバージョンも追加されました。その後、RCサクセションのアルバム再発時にも収録され、広く支持され続けています。

プロモーションとメディア展開

この曲のプロモーションには、著名なアートディレクターや映像制作陣が関わりました。また、当時の音楽番組に頻繁に出演し、その中での忌野と坂本のパフォーマンスは、視聴者の注目を集めました。彼らの演奏中には、忌野が坂本に突然キスをする場面が話題になるなど、非常に印象的な演出がありました。プロモーションビデオでは、二人が華やかなメイクを施し、夜の街を走る姿が描かれています。

音楽的な影響とカバー

『い・け・な・いルージュマジック』は、数多くのカバーアーティストや作品に影響を与えました。煩悩ガールズやミツキヨなどによるカバーが行われ、またいくつかのバラエティ番組でパロディが制作されるなど、楽曲の人気は衰えを見せません。さらに、2023年にはアニメ『うる星やつら』に挿入歌として使用されるなど、時代を超えた魅力を持っています。

結論

このシングルは、音楽的なコラボレーションの成功例として位置づけられ、今なお多くのリスナーに親しまれています。忌野清志郎と坂本龍一の才能が融合した『い・け・な・いルージュマジック』は、日本の音楽シーンにおける重要な作品となっています。

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