うずしお型潜水艦

うずしお型潜水艦について

概要

うずしお型潜水艦は、海上自衛隊が運用した通常動力型の潜水艦です。従来の水上航行能力を重視したデザインから転換し、水中性能を重視した涙滴型船体を初めて採用した艦級です。この艦級は、日本の防衛力整備計画の下で昭和42年度から48年度にかけて7隻が建造されました。命名されたいくつかの計画は、42・43SSがS118、44〜46SSはS119、47・48SSはS119Aとして知られています。元々は8隻目の艦も計画されていましたが、第一次オイルショックによる建設費の高騰に伴い、その計画は中止されました。

背景

海上自衛隊の潜水艦建造においては、昭和40年度計画で涙滴型船型と1軸推進方式の採用が検討されましたが、当時の技術の未熟さから従来の設計のままで進められたのです。しかし、米国においては既に涙滴型船型の実験が行われており、その技術の成果を受け、日本でも昭和35年度から研究が進められました。その結果、第3次防衛力整備計画において涙滴型船型を採用した潜水艦を建造する見通しが立ちました。

設計コンセプト

うずしお型潜水艦は、涙滴型船型と1軸推進方式を採用し、そのために水中での速力は20ノットに達し、何とか不利な水上航行速度の12ノットを保つことを実現しています。この設計により、潜水艦の運動性能が大幅に向上しました。

船体の構造

本型の船体は完全複殻式で、耐圧殻構造材には新開発の高張力鋼NS63を一部に使用しています。NS63鋼は、アメリカ海軍の技術を参考にし、非常に高い耐圧能力を持っています。具体的には、最高で63 kgf/mm²の降伏耐力を誇ります。これにより、より深い潜入が可能になり、艦外へのアクセス用ハッチの数も減少しました。また、本型に搭載される電池の交換が容易に行える設計もなされています。

機関と推進方式

ディーゼル主機関には川崎製のV型16気筒エンジンを2基搭載しており、主発電機はそれぞれ1,420 kWを出力します。この主電動機は、従来のものに比べて大幅に出力を増強され、潜水艦の効果的な運用が可能になりました。

装備

うずしお型潜水艦の大きな特徴の一つは、ZQQ-1統合ソナーの装備です。このソナーは、全方位の同時監視機能を持っており、従来の聴音機に比べ大幅に性能が向上しました。魚雷発射管は、533mmのHU-602を6門装備し、様々な魚雷が運用されました。しかし、装備された魚雷のいくつかは、より適切な性能を求められて改良が必要とされる課題もありました。

結論

うずしお型潜水艦は、その先進的な設計と工夫によって、海上自衛隊の潜水艦技術の向上に寄与しました。その運用実績は、影響を与え続けており、潜水艦の設計と装備の新たな基準を打ち立てました。

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