うそ (中条きよしの曲)

シングル「うそ」について

中条きよしの再デビューシングル「うそ」は、1974年1月25日にリリースされました。この曲は、歌手としての新たなスタートを切る中条にとって重要な作品であり、瞬く間に多くのファンの心を掴むことになりました。

アーティストの背景

g歌手デビューは1968年、当時は高波明や渥美健の名で活動をしていましたが、その時期はなかなかヒットに恵まれない状態が続いていました。しかし、1974年になって再び音楽の舞台に立つことになり、そのきっかけとなったのが「うそ」でした。この曲はタイトルからも想像できるように、エイプリルフールでのラジオリクエストにぴったりな内容となっており、親しみやすさが感じられます。

曲の特徴と制作

「うそ」の制作には、作詞家の山口洋子と作曲家の平尾昌晃が関与しています。曲の歌詞には、山口が経営していた店での出来事が元になっているという実話が反映されています。このエピソードでは、ホステスが自分の彼氏の家に行った際、口紅のついたタバコの吸い殻を見つけるという内容が描かれています。このように、実際の感情や状況が巧みに表現されていることで、より多くのリスナーの共感を得る要因となりました。

元々はB面曲として考えられていたこの楽曲ですが、平尾と山口の強い意向でA面としてリリースされることが決まりました。ジャンルは演歌に属しながらも、メロディには多くの16分音符が使われ、リズミカルで詰め込まれた構成が特徴です。

セールスとチャート成績

「うそ」は、発売からわずか3ヶ月でオリコンのトップ10に登場し、6週後には見事1位を獲得しました。そこからは8週にわたって1位をキープし、1974年度の年間チャートでは殿さまキングスや小坂明子の名曲に次ぐ3位という成績を収めました。最終的には150万枚以上の売上を記録し、その大ヒットによって中条は日本歌謡大賞の放送音楽新人賞やFNS歌謡祭最優秀ホープ賞などの栄誉を獲得しました。

また、1974年の年末には『第25回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たし、全国の視聴者にその歌声を届けました。

収録曲とその後の影響

このシングルには、以下の2曲が収録されています。

• - うそ（3分8秒）
• - 指輪をはずして（3分16秒）

「うそ」はその後も多くのアーティストによってカバーされ、1974年の藤圭子のLP「命火」や五木ひろしのアルバム「おんな・涙・わかれ歌」にも収められています。また、2007年に放送されたテレビドラマ『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』にも登場し、倍賞美津子が歌うシーンが印象的に描かれました。さらには、2014年の『絶対に笑ってはいけない大脱獄24時』でも中条と友近が共演しました。

「うそ」は中条きよしの音楽キャリアにおいて特別な位置を占める一曲であり、その後の歌手活動にも大きな影響を与えました。今なお多くの人々に親しまれ続けている名曲です。

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