第25回NHK紅白歌合戦

第25回NHK紅白歌合戦の詳細

1974年12月31日にNHKホールで行われた『第25回NHK紅白歌合戦』は、放送の年を振り返り、様々なエピソードや演出が詰まっています。今回の紅白では、21時から23時45分まで生放送され、多くの視聴者に楽しんでもらうことが目指されました。

司会者の情報

紅組の司会には佐良直美、白組には山川静夫アナウンサーが選ばれ、総合司会は土門正夫アナウンサーと中江陽三アナウンサーが担当しました。佐良は2年ぶり、山川は3年連続での白組司会としての登場です。特筆すべきは、山川が「蒸気機関車型の司会ではなく、繋がりを重視した司会を目指す」と考えた点です。相手の佐良は、女性の視点を考慮した経験者としての重責を感じ、再び紅組司会を務めることになりました。

出場歌手の選考

この回では、「人気投票枠」として春日八郎と三橋美智也が復帰しました。また、渡哲也はNHK大河ドラマの主演を務めたこともあり、その夏にヒットした「くちなしの花」を歌い初参戦。紅白への対抗として民放の歌謡祭が増加する中、当年は特に注目を浴びました。西城秀樹や郷ひろみなどの代表的なアイドルが揃って出場したことで「世代交代の紅白」とも言われました。

演奏とゲスト出演者

演奏は、紅組が原信夫とシャープス・アンド・フラッツ、白組が小野満とスイング・ビーバーズによって行われました。また、サム・テイラーやクロード・チアリなど、さまざまなゲストが臨席し、歌手たちの演奏を盛り上げました。特筆すべきエピソードとして、あべ静江の応援として来日したクロード・チアリが日本語でのスピーチを行った際、誤って「紅組絶体絶命」と言ってしまったことです。

大会のエピソード

趣向を凝らした演出が多く、紅組司会の佐良は歌手たちに弁当を差し入れるという思いやりを示しました。これに対抗する形で山川も白組の歌手に弁当を準備しました。また、白組トップバッターの西城秀樹による演出では、初めてドライアイスを使った演出が行われようとし、会場の観衆を魅了しました。

試合の結果

最終的に紅組が優勝し、通算14勝11敗となりました。この年の白組トリは森進一に与えられ、彼はデビュー10周年を記念して「襟裳岬」を披露しました。更に、総合司会の身体的ケアや衣装のトラブルなどもあったものの、全体的に和やかな雰囲気で進行されました。出場する歌手と司会者の発表が同時に行われた点にも注目が集まりました。

後日譚

その後、ザ・ドリフターズは当回の出演が初となり、以後長期間紅白歌合戦から遠ざかるも、2001年に再登場しました。1990年、1994年、1998年には再放送が行われ、当時の雰囲気を懐かしむファンにとっても重要なイベントとして記憶され続けています。

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