うたえちびっこ!ガッテンだ!

『うたえちびっこ!ガッテンだ!』は、1969年末から1970年春にかけて、TBS系列で放送された子供向けの歌謡番組です。日清食品が単独でスポンサーとなり、毎週日曜日の昼の時間帯に放送されました。

この番組最大の特徴は、子供たちが歌やパフォーマンスを披露し、審査員が採点する視聴者参加型の形式をとっていた点です。子供たちが持ち歌を歌ったり、得意な特技を披露したりする様子は、まさに子供たちの才能と個性を輝かせる舞台となっていました。

番組の構成は、同時期にフジテレビで放送されていた人気番組『ちびっこのどじまん』とよく似ていました。しかし、『うたえちびっこ!ガッテンだ!』には独自のルールがありました。それは、審査員が採点結果を発表する前に、出場した子供の親がその結果を予想するというものです。この予想が的中すると、家族全員に「ガッテン賞」が贈られました。この予想ゲームは、番組にハラハラドキドキ感を加え、親子の絆を深める一役も買っていたと言えるでしょう。

審査員は、音楽業界で活躍する著名人たちで構成されていました。レギュラー審査員には、キダ・タロー氏、宮城千賀子氏、ナジア・アリ氏、川崎のぼる氏といった、当時人気を博していた面々が名を連ねています。さらに、毎回異なるゲスト審査員が登場し、番組に彩りを添えていました。彼らの個性あふれる審査やコメントは、子供たちだけでなく、視聴者にも大きな楽しみを与えていたはずです。

司会を務めたのは、阿部進氏です。彼は『ちびっこのどじまん』でもレギュラー審査員を務めていたことから、子供たちと接する経験が豊富で、番組を円滑に進行させる手腕を持っていました。温厚な人柄と落ち着いた司会ぶりで、子供たちが安心してパフォーマンスできる雰囲気を作り上げていたことでしょう。

『うたえちびっこ!ガッテンだ!』は、子供たちの才能を育み、家族の絆を深める、心温まる歌謡番組でした。番組が放送されていた当時を知る人々にとって、それはかけがえのない思い出として、今も記憶に深く刻まれているのではないでしょうか。子供たちの歌声、親たちの笑顔、そして審査員の温かいまなざし。これらの要素が織りなすハーモニーは、昭和の時代のテレビ史に、鮮やかな一ページを刻んだと言えるでしょう。番組資料として残されている『毎日新聞縮刷版』などの記録は、この番組の輝きを後世に伝える貴重な資料となっています。

番組は、子供たちにとって夢と希望を与え、親たちには家族の絆を確かめる機会を提供しました。また、視聴者全体に、子供たちの純粋な才能と努力を伝える役割を果たしたと言えるでしょう。短い放送期間ではありましたが、『うたえちびっこ!ガッテンだ!』は、多くの視聴者の心に残る番組であったことは間違いありません。

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