うたかたの恋 (宝塚歌劇)

うたかたの恋

『うたかたの恋』（うたかたのこい）は、宝塚歌劇団によって演じられるミュージカルであり、フランスの作家クロード・アネの小説『うたかたの恋』を原作としています。この作品は1983年に初演され、19世紀末のオーストリアを舞台に皇太子ルドルフと貴族令嬢マリーの悲恋を描いています。物語は実際の歴史に基づいており、ルドルフの死という衝撃的な事件をもとに制作されています。

概要

初演以来、好評を博した本作は、1984年には名古屋公演が行われ、1993年には再演、そしてその後も数多くの外箱限定公演が実施されています。2023年には3度目の本公演が行われ、宝塚歌劇団の作品の中でも最も上演回数が多い作品の一つとなっています。特に隠された政治的な陰謀や運命に翻弄される恋愛が描かれることから、多くの観客に感動を与える内容です。

あらすじ

物語は1888年4月に始まります。皇太子ルドルフは、劇場で美しい令嬢マリーと出会い、運命的な恋に落ちます。彼らの恋はラリッシュ夫人の協力を得て密やかに進展しますが、周囲の圧力や政治的な陰謀によって引き裂かれていきます。

特に、陸軍大臣フリードリヒ公爵の陰謀に囚われ、ルドルフはさらなる苦悩に巻き込まれることになります。1889年の1月26日、ルドルフはドイツ大使館でのパーティの場で、マリーに再会することを誓うと共に「来週の月曜日、旅に出よう」と告げます。しかし、彼の運命は悲劇に向かって進んでおり、彼とマリーは1月29日、雪の降るマイエルリンクの別荘で運命的な死を遂げることとなります。

主な登場人物

• - ルドルフ：オーストリア皇太子
• - マリー・ヴェッツェラ：男爵令嬢、ルドルフに恋する少女
• - ジャン・サルヴァドル：ルドルフの親友、自由主義者
• - ミリー：ジャンの恋人
• - フリードリヒ公爵：陸軍大臣
• - ヨゼフ皇帝：ルドルフの父
• - エリザベート皇后：ルドルフの母
• - ステファニー皇太子妃：ルドルフの妻
• - ラリッシュ夫人：ルドルフの従姉妹
• - ジェシカ：マリーの乳母
• - ヴェッツェラ男爵夫人：マリーの母
• - マリンカ：元ロシア貴族のボヘミアの歌姫
• - ロシェック：ルドルフの老僕
• - ブラッドフィッシュ：ルドルフの御者

主な楽曲

このミュージカルでは、印象的な楽曲が数多く使用されており、特に主題歌『うたかたの恋』が注目されています。また、その他にも『小さな青い花』や『愛と死』等、心に残る美しいメロディが多彩に展開されます。

上演歴

『うたかたの恋』は1983年の初演以来、数多くの公演が行われ、脚本・演出は柴田侑宏が担当し続けています。華やかな演出や豊かな音楽、振付が施されることで、観客に深い感動を与えています。特に、初演から40年の時を経た2023年の公演は、改めてその魅力を知らしめる機会となりました。これからも宝塚歌劇団の代表作として、多くのファンに愛され続けることでしょう。

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