うたエール

うたエール：ゆずの応援歌とその軌跡

2018年2月9日、平昌オリンピック開幕日に配信されたゆずの楽曲「うたエール」は、日本生命CMソングとして制作された、多くの人々への応援歌です。同年の「ゆず2018プロジェクト with 日本生命」の一環として、2018人の新メンバーが参加。CM「あなたにエールを」篇の楽曲として使用され、平昌オリンピック日本代表選手団をはじめ、世界中の人々を励ます力強いメッセージが込められています。

2018人のハーモニー：MV撮影とレコーディング

ミュージックビデオは、ゆずの原点である横浜・伊勢佐木町のイセザキモールで、北川悠仁、岩沢厚治と2018人の新メンバー、総勢2020人によって撮影されました。北川と岩沢にとって約20年ぶりの伊勢佐木町での撮影となり、思い出深い作品となりました。さらに、アーティスト写真撮影はサーティーフォー保土ヶ谷球場、合同レコーディングは大さん橋ホールと、ゆずの地元横浜で制作されました。この大規模なプロジェクトは、楽曲に込められた「エール」の想いを象徴する出来事となりました。

楽曲の特徴：躍動感と共感

北川悠仁は、2018人と一緒に歌うことを前提に、誰もが一緒に歌って楽しめるような楽曲を目指したと語っています。そのため、静かなバラードではなく、体が自然と動き出すような、みんなで一緒に歌って踊れるような楽曲に仕上がっています。歌詞は、自身の歌が「歌のエール」になるという発想から生まれ、聴く人、歌う人の心に元気を与えるような内容となっています。音楽的には、オールドスタイルのブラスセクションとヒップホップのリズムトラックを融合させた、独特のサウンドが特徴です。当初は歌詞のない「ラララ」だけのデモ音源がCM制作チームに気に入られ、先行してCMで使用された後、歌詞が付け加えられました。

チャート成績：オリコン週間デジタルシングルランキング6位

「うたエール」は、「オリコン週間デジタルシングル（単曲）ランキング」で初登場6位を記録。2017年12月から開始された同ランキングにおいて、ゆずにとって初のトップ10入りを果たす快挙となりました。この結果は、楽曲のクオリティと、大規模なプロジェクトによる注目度の高さを示しています。

うたエール（弾き語りバージョン）：西日本豪雨災害への支援

2018年7月20日に配信された「うたエール(弾き語りバージョン)」は、西日本豪雨災害への支援を目的とした楽曲です。ゆずは広島公演を中止し、支援活動としてこの弾き語りバージョンを制作。アルバム『BIG YELL』から「うたエール」を選び、新たにアレンジとレコーディングを行い、楽曲の収益金を全額広島県に寄付しました。

紅白歌合戦での披露：平成最後の感動

「うたエール(弾き語りバージョン)」は、『第69回NHK紅白歌合戦』で披露され、大きな感動を呼びました。「ありがとう 平成最後の大晦日」と題された歌詞とメロディーが追加され、北川直筆の歌詞テロップと共に歌唱。終盤には、ギターを弾くのを止め、マイクからも離れ、オフマイク状態のアカペラで1フレーズを歌唱するなど、特別な演出が施されました。

チャートにおける成功：オリコンデイリー1位、週間チャート2位

「うたエール(弾き語りバージョン)」は、オリコンデジタルシングルランキングで「公園通り」に続く2作連続デイリー1位を獲得。週間チャートでも自身最高の2位で初登場し、オリジナルバージョンを上回る成功を収めました。ビルボードジャパンの各ランキングでも、オリジナルバージョンを上回る最高位を記録しました。

まとめ：エールが繋いだ感動と支援

「うたエール」とその弾き語りバージョンは、多くの人々にエールを送り、感動と希望を与えた楽曲です。2018人の参加者と共に制作されたオリジナルバージョンは、大規模なプロジェクトの成功を象徴し、西日本豪雨災害への支援を目的とした弾き語りバージョンは、音楽の力による社会貢献の好例となりました。両バージョンともに、ゆずの音楽性と社会への意識の高さを示す、重要な作品と言えるでしょう。

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