うめが香丸

うめが香丸の歴史とその役割

うめが香丸（うめがかまる）は、帝国海事協会が管理していた貨客船で、義勇艦としての役割も担っていました。この船の運命は、日露戦争中の時期に深く結びついています。

船の建造と背景

1904年、日露戦争の影響で、帝国海事協会は急遽義勇艦隊の設立を決定しました。この艦隊は平時は商船として活動し、有事には仮装巡洋艦として敵に対抗することを目的としていました。そのための資金を募ると、多くの善意の援助が寄せられ、造船奨励法の適用を受けることができました。

第一艦「あさくら丸」に続いて、うめが香丸は三菱造船所で建造され、1907年に発注されました。起工したのは同年の12月29日で、進水は1909年の3月27日、竣工は7月6日でした。

航路と転務

1910年1月25日、うめが香丸は鉄道院に傭船され、青函航路での運行を開始しました。翌1911年1月20日には、他の艦が航路を移動したことに伴い、うめが香丸も関釜航路に転じることになりました。このように、うめが香丸はその時代における重要な輸送手段としての役割を果たし続けました。

転覆事故とその影響

しかし、1912年9月23日、大里沖で暴風雨の中にいたうめが香丸は、舷窓が閉じられずに浸水し、転覆して沈没しました。この事故は、海員審判を含む刑事裁判を引き起こし、社会的な騒動に発展しました。二重の罰として扱われたことは、この事故の取り扱いがいかに深刻だったかを物語っています。

復旧と解体

1913年5月18日、うめが香丸は浮揚に成功しましたが、最終的には解体することとなりました。この一連の流れは、商船としての評価が芳しくなかったことを反映しています。現在知りうるところによれば、うめが香丸及びその姉妹艦であるさくら丸は、設計上の問題から利用者の評判が悪かったとのことです。

まとめ

うめが香丸の歴史は、戦争の影響や商業運航の難しさを物語るものです。義勇艦としての使命を果たすべく建造されたこの艦は、様々な運命を辿ることとなりました。最後は解体という運命を迎えましたが、その存在は日本の海事史において記憶され続けるでしょう。

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