うるし山千尋

うるし山千尋（1976年 - ）は、日本の現代詩を担う詩人の一人です。

鹿児島県肝属郡大根占町（現・錦江町）に生まれ、宮崎大学を卒業後、現在は鹿児島県を拠点に創作活動を続けています。その作品は、日々の生活の中で見過ごされがちな感情や風景を、独自の視点と繊細な言葉で捉え、読者の心に深く響くと評されています。

2006年に「とどまる海とフェリーの七編」を発表し、翌2007年には「半笑いの騎士たち」他14篇で南日本文学賞を受賞し、その才能を早くから認められました。2016年には、第一詩集『時間になりたい』（ジャプラン）で現代詩花椿賞の最終候補となり、詩人としての評価を確立しました。

2021年には「ライトゲージ」他14篇で、再び南日本文学賞を受賞。同年、第72回H氏賞も受賞し、その実力は広く知られることとなりました。

作品の特徴

うるし山千尋の詩は、日常の断片や記憶の風景をモチーフにすることが多く、その言葉は、静かで透明感があると同時に、どこか切なさや温かさを感じさせます。具体的な事象から普遍的な感情を掬い上げる手腕に長けており、読者は自身の経験と重ね合わせながら、深く共感することができます。

主な作品

『猫を拾えば』ジャプラン、2012年6月：日常の風景や感情を繊細な言葉で描いた第一詩集。
『時間になりたい』ジャプラン、2016年11月：時間という概念をテーマに、記憶や感情の移ろいを詩的に表現した作品集。
『ライトゲージ』七月堂、2021年12月：最新詩集。より内面へと深く潜り込み、人間の根源的な感情に触れるような作品が並びます。

受賞歴

2007年：南日本文学賞（「半笑いの騎士たち」他14篇）
2021年：南日本文学賞（「ライトゲージ」他14篇）
2021年：第72回H氏賞（「ライトゲージ」他14篇）

現代詩の世界で独自の地位を確立し、これからも多くの読者に感動を与え続けることが期待される、注目の詩人です。

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