うるま (たばこ)

うるまについて

「うるま」は、日本たばこ産業（JT）が沖縄県専用に製造・販売している紙巻きたばこのブランドで、フィルターつきのソフトパック仕様です。この銘柄名は沖縄の方言に由来しており、「ウル」が砂を、「マ」が島を意味し、砂礫島の表現となっています。たばこ税のカテゴリでは旧3級品に位置付けられているため、比較的安価に提供されていますが、独特の風味が特徴的であり、中高年層を中心に沖縄県内で堅実な支持を得ています。

歴史的背景

沖縄は太平洋戦争後、アメリカ軍の占領下に置かれ、煙草の製造と販売が民営化されていました。その中で、最初に設立された琉球煙草が主要なメーカーだったのですが、1956年には初のフィルター付き煙草である「コロナ」を発売し、その後「うるま」が1960年に登場しました。 これは琉球煙草が発表した並行系列のひとつで、当初から沖縄の特産物として日本本土向けに輸出されることもあり、沖縄産たばこの中では初めての試みとなりました。

1972年には沖縄が日本に復帰し、いわゆるたばこ専売制度が施行されました。この結果、琉球煙草を含む三社の煙草メーカーは日本専売公社沖縄事業局に統合されましたが、沖縄地域に根付いた「うるま」や他の人気銘柄は廃止されることなく、継続して生産・販売されることになりました。 JTとして民営化後も、沖縄県内では販売が続き、県外での取り扱いも一部の販売店を通じて行われています。

生産状況と価格

2020年にJT那覇工場が閉鎖された後、「うるま」の生産は沖縄県外で行われるようになりました。この影響もあり、一部のコストが上昇し、2018年には価格が360円に設定されました。また、2016年から始まったたばこ税の軽減措置の縮小に伴い、今後の価格にも影響を与える可能性があります。

特筆すべきは、JTが2019年に「うるま」の販売を継続する決定を下した点です。沖縄地域での支持を背景に、たばこ税の軽減措置がなくなった後でも販売の継続を決めたのは、地域に根付いたブランドの価値を示すものです。

パッケージデザインの変遷

「うるま」は、初期のデザインから長らくエンブレムのような金色のタツノオトシゴと、縦長のロゴが特徴でしたが、2005年には警告文の表示に対応するためにデザインが刷新されました。新デザインでは手書き風の「うるま」や赤いタツノオトシゴが描かれ、シャープな印象を与えています。しかし、この変更には賛否があったことも事実です。

さらに、2022年には沖縄の文化財である首里城復興の支援を目的とした数量限定パッケージが発売され、収益の一部が復興活動に寄付されるという試みもなされました。

まとめ

「うるま」は、長い歴史を持つ沖縄特有のたばこの銘柄であり、地元の文化と密接に結びついています。世代を超えて愛され続けるその存在と、地域への貢献が高い評価を得ていることは、本商品の人気の理由に他なりません。

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