日本専売公社の概要
日本専売公社(にっぽんせんばいこうしゃ)は、
1949年に設立された日本の
特殊法人で、かつては「三公社五現業」の一部として存在しました。この公社は、たばこ及び塩、さらには
樟脳の専売を管轄し、政府の特定事業を運営するための公共企業体として機能しました。公社の運営は、当初は
大蔵省の外局である専売局によって行われ、
1948年には連合国最高司令官ダグラス・マッカーサーからの指示に基づき、正式に独立した法人としてスタートしました。
沿革
公社の歴史は、いくつかの重要な出来事によって形作られました。
1949年6月1日、専売局から分離独立し、初代
総裁に秋山孝之輔が就任。その後、
1960年には産業計画会議から専売制度の廃止が勧告されました。
1962年、
樟脳専売法の廃止により、
樟脳は専売品から除かれ、
1972年には
沖縄返還に伴い、地元のたばこ事業も譲受しました。
1984年に専売改革関連法が成立し、
1985年には
日本たばこ産業株式
会社(JT)が設立され、公社は解散しました。
公社を率いた
総裁と副
総裁は多くの業界人がその地位に就きました。初代
総裁、秋山孝之輔から始まり、主に元
大蔵省の関係者が多く見受けられました。特に、松隈秀雄や阪田泰二は公社の政策に大きく貢献しましたが、阪田は選挙違反の問題で任期途中に辞任を余儀なくされました。副
総裁としても多くの著名な官僚が名を連ね、政策決定に重要な役割を果たしました。
たばこの販促活動
日本専売公社では、たばこの販売促進活動が活発に行われ、「たばこは心の
日曜日」というキャッチフレーズが広がりました。また、各地域で売上を向上させる施策も行われ、
1950年には
年末年始の需要を狙ったくじ付き
タバコが発売されるなど、多様な販促手法が用いられました。
1973年には全国の大学生を対象としたアンケート調査が行われ、賛否を呼びましたが、これは自身の製品をアピールする意図が明確であり、批判の対象となりました。
不祥事
公社の歴史には、不祥事もあります。特に
1965年には、
第7回参議院議員通常選挙で公社が組織ぐるみでの選挙違反を犯し、40人以上の職員が逮捕される事態が発生しました。選挙を支援する名目で、業者に不正な圧力をかける行為が問題視され、大きな社会的批判を受けることになりました。
日本専売公社は、その設立から解散まで、日本のたばこ産業と公共政策に多大な影響を及ぼした主体でした。その歴史を通じて、さまざまな成功と失敗を抱えながらも、日本の経済と文化に貢献してきたことは間違いありません。