うる星やつら ザ・障害物水泳大会

OVA『うる星やつら ザ・障害物水泳大会』の詳細

『うる星やつら ザ・障害物水泳大会』は、高橋留美子による人気漫画『うる星やつら』のアニメ化作品です。本作は1991年に公開された劇場版『いつだってマイ・ダーリン』以来、2008年12月23日に高橋留美子の原画展向けに作られました。OVA作品としては通算12作目となります。

本作の最大の特徴は、デジタル作画による初めてのアニメーションである点です。アニメーション制作は、『犬夜叉』で知られるサンライズが手掛けています。OVAとしての要素を保ちながらも、アニメーションのクオリティが高い仕上がりとなっています。2010年1月29日には本作を含むDVD『It's a Rumic World スペシャルアニメBOX』が発売され、同じ年の10月20日にはDVDとBlu-ray Discもリリースされました。

ストーリーの背景と特徴

本作は、原作漫画の中の「ザ・障害物水泳大会」というエピソードを中心に構成されており、さらに「風鈴樹の音色」や「失われたモノを求めて」の内容も組み込まれています。特筆すべきは、1981年版アニメの要素とは大きく異なる設定が取り入れられたことです。

例えば、友引高校の校舎は1981年版の木造洋風建築から、原作通りの鉄筋コンクリート建築に変更され、現代的な解釈が加えられています。また、これまでのアニメに登場していたオリジナルキャラクター、ラム親衛隊は姿を消し、代わりに白井コースケがデビューを果たしました。

友引高校の女子生徒たちの制服も見直されており、ラムのスカーフの色は黄色のままですが、他の生徒は青いスカーフを身に着けることになりました。また、ランというキャラクターは原作には登場しないものの、障害物水泳大会の参加者として新たに加わっています。

キャストについては、1981年版とほぼ同じ面々が揃っていますが、藤波竜之介の父親役が安西正弘から大川透に変更され、白井コースケ役は山口勝平、ラン役は小宮和枝が担当。トップクレジットも初めて諸星あたる役の古川登志夫が務めるなど、新たな試みが見られます。

あらすじ

物語は夏休みのある日、友引高校での水泳大会から始まります。あたるたちは優勝することで宿題が免除される特典を聞き、初めは興味を示さなかったものの、宿題免除を目指して参加を決意します。

しかし、この水泳大会は単なる競技ではなく、体育館からスタートし、校舎を通り抜けてプールにたどり着くという障害物レース形式で行われます。途中には教師陣が仕掛けた数々の罠が待ち受けており、生徒たちは脱落しながらも競争を続けていきます。

プールにたどり着いた一行は、温泉マークから宿題免除の他に校長からの接吻も授与されると聞き、一気にやる気を失ってしまいます。「水泳大会本戦」の幕が開けると、あたるたちの冒険が始まるのです。

登場人物とスタッフ

登場人物には、古川登志夫がしゃべる諸星あたる、平野文が演じるラムをはじめ、神谷明、島津冴子、田中真弓などお馴染みのキャストが揃います。本作の制作には、監督の米たにヨシトモや脚本の横手美智子をはじめとする多くのスタッフが携わり、高橋留美子の魅力を最大限に引き出す作品に仕上がっています。

高橋留美子のファンやアニメの愛好者にとって、本作は新たな視点で楽しめる一作に仕上がっており、原作の再解釈やアニメーション技術の進歩が織りなす世界を堪能できる作品です。

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