えとたま

『えとたま』：十二支の少女たちと猫が織りなす、賑やかな物語

2015年4月から6月にかけて、TOKYO MX、サンテレビ、BS11などで放送された日本のオリジナルテレビアニメ『えとたま』。CG・VFX制作会社として知られる白組と、音泉などを運営するタブリエ・コミュニケーションズという異色の組み合わせで制作された本作は、独特の映像表現と個性的なキャラクター、そして予想外の展開で多くの視聴者を魅了しました。

アニメの誕生：十二年の構想と新たな出発

『えとたま』の企画は、タブリエ・コミュニケーションズが2007年の干支である猪を擬人化したフィギュア「うりたん」を製作した2006年にまで遡ります。この干支企画を12年間継続しようと、キャラクターデザインや設定の大枠が考案されました。当初の構想は、猫が十二支の社を巡り、干支たちを倒して仲間入りするという、昔話に基づいたものだったと言われています。しかし、この企画は1年で終了。ところが、白組がこの企画に興味を示したことで、昔話の要素を活かしつつ、大幅な企画変更を経て、2015年のTVアニメ化が実現することとなりました。

2Dと3Dの融合：躍動感と日常の調和

『えとたま』の映像は、日常シーンを2D、アクションシーンを3Dで表現するという、独特な手法が用いられています。2Dパートはエンカレッジフィルムズ、3Dパートは白組がそれぞれ担当。この組み合わせによって、キャラクターの可愛らしさとアクションシーンの迫力ある描写が見事に調和しています。また、「日本一うるさいアニメ」を目指したという制作陣の意気込みは、作品全体に溢れるエネルギーとして伝わってきます。

ストーリー：干支神を目指す猫と、巻き込まれる高校生

物語の中心となるのは、干支をモチーフにした少女たち「えと娘」と、彼女たちよりも先に借家に住み着いていた猫のえと娘「にゃ〜たん」、そしてそこに引っ越してきた男子高校生・天戸タケルです。にゃ〜たんは干支神を目指しており、その過程でタケルや他の干支神たちと様々な騒動を巻き起こしていきます。タケルの持つ「萌力」は、にゃ〜たんの活動に大きく影響を与えることになります。

登場人物：個性豊かな十二支の少女たち

十二支の少女たちは、それぞれ個性豊かなキャラクター性と、独特の能力を持っています。主人公であるにゃ〜たんを始め、彼女たちを取り巻く人間やえと娘たちの関係性も、物語に深みを与えています。特に、最強の干支神であるチュウたんとにゃ〜たんの因縁は、物語の重要な鍵となっています。

多彩な展開：新作短編アニメやラジオドラマ

2017年にはTOKYO MXで再放送され、2021年には新作短編アニメ『えとたま〜猫客万来〜』が配信されました。新作では、オーディオドラマとアニメーションが融合した全4話構成で、新たな展開とキャラクターが加わっています。さらに、バーチャルYouTuber企画の一環として、イタチの干支娘「いずたん」も登場。多様なメディア展開を通して、『えとたま』の世界観はさらに広がりを見せています。

まとめ：記憶に残る、賑やかなアニメ作品

『えとたま』は、個性豊かなキャラクター、テンポの良いストーリー展開、そして2Dと3Dを融合した独特な映像表現が魅力のアニメ作品です。多くのパロディやメタ発言も散りばめられ、視聴者を飽きさせません。一度見始めると、その賑やかで独特な世界観に引き込まれてしまうことでしょう。様々なメディアミックス展開も積極的に行われており、これからも『えとたま』の世界は広がり続けることでしょう。

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