えらぶゆり

えらぶゆりについて

えらぶゆり（ERABU LILY, Erabu Yuri）は、[鹿児島県]]沖永良部島の和泊町と知名町で生産されているテッポウユリの流通名です。このユリは、2020年11月18日に農林水産省の地理的表示]保護制度の対象として登録されました。これは[[鹿児島県内では5番目、奄美群島産の農林水産物としては初の登録であり、切り花などの観賞用植物としては日本初の登録事例となります。

特徴

えらぶゆりは、沖永良部島に自生していたテッポウユリを基に繁殖・育種された品種です。純白の花びらをもち、葉は丸みを帯びた形をしています。また、強すぎないほのかな香りも特徴の一つです。現在、えらぶゆりとして栽培されている主な品種には、「ヒノモト」「プチホルン」「ピュアホルン」などがあります。

生産状況

2019年度のデータでは、えらぶゆりの切り花出荷本数は、沖永良部花き専門農業協同組合とあまみ農業協同組合を合わせて約232万8000本、取扱額は約2億4106万5000円に達しました。生産戸数は和泊町で32戸、知名町で36戸の計68戸、栽培面積は和泊町で5.18ヘクタール、知名町で5.1ヘクタールの計10.28ヘクタールとなっています。

歴史

えらぶゆりの本格的な栽培は1902年に始まりました。明治時代には「エラブリリー」としてアメリカに輸出され、特に復活祭などの行事で聖母マリアの花として飾られ、日本よりも先に海外で人気を博しました。2013年には、鹿児島県の「かごしまブランド」の産地指定を受けています。

2023年10月から2024年3月にかけてカタールのドーハで開催された「2023年ドーハ国際園芸博覧会」では、えらぶゆりが展示され、国際的な注目を集めました。この博覧会では、鹿児島県育成品種である八重咲きの「咲八姫（さくやひめ）」や、えらぶゆりの代表的な品種である「ヒノモト」「ピュアホルン」「プチホルン」「凛（りん）」の5品種95本が展示されました。特に「咲八姫」は、国際的な園芸博覧会で初めて展示されました。

えらぶゆりは、その美しい姿と香りで、観賞用としてだけでなく、歴史的、文化的な側面からも価値のある花と言えるでしょう。

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