おおいぬ座VY星

おおいぬ座VY星の概要

おおいぬ座VY星（VY Canis Majoris）は、おおいぬ座に属する赤色超巨星の一つです。この星は非常に大きな直径を持ち、推定では太陽の1420倍に達します。しかし、過去にはその直径が太陽の1800倍から2100倍とされ、既知の恒星の中で最も大きいと考えられていました。しかし、近年の観測と計算により、その評価が改訂され、現在は直径での順位が6位に_DOWN_しています。

VY星の質量は太陽の30から40倍と推定されていますが、これはおおいぬ座VY星の巨大さに対しては比較的小さい数値です。たとえば、りゅうこつ座のη星（イータ・カリーナ）やSN 2006gyはこの星よりもはるかに大きな質量を持つことが知られています。これらの特徴により、VY星は天体観測者や天文ファンにとって特別な存在です。

変光の性質

おおいぬ座VY星は脈動変光星に分類され、明るさが6.5等から9.6等の間で変化します。変光星総合カタログでは、956日の周期で半規則的に光度を変化させるSRC型変光星として登録され、アメリカ変光星観測者協会（AAVSO）が設ける分類ではLC型に分類されています。このような変光は、中心部の水素がほぼ枯渇し、外層は元のサイズに比べて100倍の大きさに膨れ上がっているために起こります。

外層の膨張とその結果としてのガス流出の現象は、VY星の進化に重要な影響を及ぼしています。この星はすでに元の質量の約半分を失ったと考えられ、周囲には流出したガスが広がっており、その範囲は約1光年にも及びます。ハッブル宇宙望遠鏡による観測によれば、流出したガスの最も外側の部分は約1000年前に、しかし最も新しいものは約50年前のものであると推測されています。

将来の進化

VY星の質量や進化の過程から考えると、この星は将来的に極超新星や超新星爆発を経験し、その結果としてブラックホールになると予測されています。そのような爆発が起こる時期は、西暦3200年頃より前である可能性があるとされており、天文学者たちはその動向を注視しています。

関連項目

おおいぬ座VY星に関する研究は主に質量や直径の大きさに重点が置かれていますが、これに関連する項目として直径が大きい恒星の一覧や、恒星に関する情報が多く存在します。特にこの星は、音楽的な作品や文化にも影響を与えており、例えばAndymoriの楽曲『SAWASDEECLAP YOUR HANDS』の歌詞にも登場します。

参考リンク

• - AAVSO（アメリカ変光星観測者協会）
• - おおいぬ座VY星の星図（日本変光星研究会）など、多くの情報源が存在します。これにより、VY星についての研究は今後も発展していくことでしょう。

もう一度検索